展示会出展で一般消費者のリードを獲得する方法

多くの参加者と接触できる展示会は、企業を認知してもらう絶好の機会です。
特に一般消費者を対象に行われるBtoC向けの展示会においては、消費者に対して自社商品・サービスをアピールしたり、ブランドイメージの向上にもつながります。
しかし、出展目的が明確ではなかったり、ターゲット層の設定ができていないとリードにつながりません。
展示会を成功させるためにも、リードを獲得する方法やコツを正しく知っておくことが大切です。この記事では、展示会で一般消費者のリードを獲得する方法を紹介します。
         
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 展示会は、企業出展者が自社の商品やサービスを紹介して顧客を獲得するためのイベントです。ここでは、展示会に出展するメリットを紹介します。

 展示会に出展するメリットは、リード獲得につながることです。
 リードはマーケティング用語で見込み客を指す言葉で、展示会に出展することで自社の商品やサービスを認知してもらったり、その場で売り上げにつながることもあります。
 テーマや規模により異なりますが、展示会には多くの人が参加します。
 来場者は展示会のテーマに関心が高いため、多くは自社商品やサービスの見込み客といえるでしょう。
 見込み客に対して直接対面しながら商品やサービスをアピールできることは、展示会の大きなメリットです。

 展示会に出展するメリットは集客力が高いことです。
 規模により異なりますが、展示会では数千人を超える来場者数が会場内を歩き回ります。ブースやマップ、パンフレットなどを通して、商品やサービスを直接みたり触れたりすることで認知度向上が期待できるでしょう。
 さらに、来場者がSNSやブログを通して第三者に情報共有することで、ブランディングの強化にもつながります。展示会の集客力を活用することで、効率よく認知度を上げるためのプロモーションが実現可能です。

 展示会に出展するメリットは、商品・サービスに興味を持つリードに対して効率的にPRができることです。
 商品やサービスを一般消費者に認知してもらう方法は複数ありますが、興味を持つ顧客や次の行動に移してくれる方法は限定されます。
 展示会は、来場者とコミュニケーションを取りながら消費者やサービス、自社のPRができるため、確実に印象に残せることがメリットです。
 広告やWebサイトでは伝わりにくい商品やサービスの具体的な魅力も、展示会ならしっかりと伝えることができます。

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 展示会で多くのリードを獲得するためには事前対策が必要です。ここでは、展示会でリードを獲得する方法を紹介します。

 展示会で多くのリードを獲得するためには、出展目的の明確化が重要です。
 目的や目標が曖昧なままだと、企業が何を伝えたいのかわからなくなり、リードの獲得につながりません。
 「商品の認知を増やす」「新規顧客を増やす」などの目的を明確化したうえで、展示会選びを行いましょう。
 目的を定めるうえでポイントになるのは、KGI(重要目標達成指数)とKPI(重要業務評価指数)の設定です。
 例えば、KGIとして10万円以上の売上、KPIとして100人の訪問者数のように、具体的な数値を決めることで目的を明確化しやすくなります。

 展示会の目的を明確にした後は、ターゲット層の設定を行います。
 「ターゲットを絞るとリード数が減ってしまうのでは」と不安に思う方もいるかもしれませんが
ターゲットを幅広く設定してしまうと、かえって顧客が減ってしまう可能性があります。
 その理由は、現代において物や情報は数多くあり、それに伴って顧客のニーズや課題も多様化しているためです。
 ターゲットが広くなると商品やサービスのセールスポイントがぼやけてしまい、ターゲットを絞っている競合会社に負けてしまう可能性が高くなります。
 テーマがある展示会では競合他社も多く出展しているケースが多く、その中で来場者に対していかに興味を持ってもらえるかが重要です。
 そのためには、ターゲットを明確に絞って何を提供したいかを明確にする必要があります。

 展示会の出展でリードを獲得するためには、ブースのレイアウトやデザインが重要です。
 展示会のテーマや出展目的、商品やサービスの種類にマッチしたブースのレイアウトやデザインでないと効果を最大化できません。

 例えば、レイアウトなら対話スペースを設ける商談型や商品を使用できる体験型、展示をメインとした商品展示型などです。
 どのパターンが自社の目的に合っているかを軸に、会場内での立地や予算などに合わせてブースデザインと資材の準備を行います。
 デザインはブースの立地を考慮する必要があり、人の流れやメイン通路、入口などを考慮して展示台やパネル、看板などを設置します。
 ブースが与える印象は企業やブランドのイメージにも大きな影響を与えるため、自社のイメージや売り出したい商品、サービスに合ったデザインがポイントです。
 看板やポスターの文字フォントや装飾も同じで、ブランドのイメージに一貫性を持たせるようにしましょう。
 また、広い展示会場で競合企業も多い中での集客になると、遠くからでもわかりやすいデザインや立体的にディスプレイを見せる工夫も必要です。
 派手で目立つだけでは商品やブランドが認知されずにリード獲得にもつながりにくいため、来場者やターゲットを理解したうえで適切なデザインを施しましょう。

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 展示会の成功事例として、朝日新聞社が開催しているGOOD LIFEフェアをご紹介します。
 GOOD LIFEフェアは商品と消費者をむすぶ体験型の展示会で、「豊かな暮らし」「SDGs」「サステナブル」などのテーマに合致すればジャンルは問いません。
 一般的な展示会だと特定のジャンルや企業の関係者など、一定の層しか集まりませんが、GOOD LIFEフェアは幅広い層を対象とした新聞メディアならではの展示会です。
 また、情報感度や購買意欲がある来場者が多いと出展者からも高い満足度を得ています。詳しくは、GOOD LIFE フェア担当者インタビューをご覧ください。

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 実際に展示会に出展するためには、費用やスケジュールの設定、手続きなどが必要です。ここでは、展示会に出展する流れを紹介します。

 展示会に出展する場合は、出展費用とROIのバランスを確認しましょう。
 ROIとは費用対効果のことで、展示会であれば出展にかかるコストを上回るリターンが期待できるかを意味します。
 展示会はリード獲得やブランディング効果などが期待できますが、出展するためには以下のような費用が必要です。

  • 出展料
  • 設営費用
  • ノベルティーやフライヤーの制作費用
  • DMの制作費用
  • パンフレットやチラシの制作費用
  • 当日の人件費

 ROIはさまざまな指標を用いて数値化できるため、事前に計算を行ったうえで効果が見込めるときに出展を検討するのもよいでしょう。
 ちなみに、ROIは『展示会出展で得た利益や効果』を『展示会出展にかかるコスト』で割ると求めることができます。
 利益や効果については商品を販売して利益を得た場合は売上になりますし、ブランドやサービスの認知度を高めることが目的ならブースへの来場者数も目安の一つです。
 また、展示会のROIは商材や目的によって異なり、なかには数ヶ月後に効果が現れるようなケースもあるでしょう。
 目先のROIだけでなく、長期的な効果も含めてバランスを考えることが大切です。

 展示会を成功させるためには、スケジュール管理も重要です。ここでは、展示会出展に向けた大まかなスケジュールを期間ごとに紹介します。

・展示会の6ヶ月~12ヶ月前:申し込み

 展示会の出展に向けた準備は、6ヶ月~12ヶ月前から始まります。
 展示会の多くは、出展申し込みの受付時期を開催日の6ヶ月~12ヶ月前に設定しており、募集予定のコマ数も設定されているのが一般的です。 
 コマ数が埋まると申し込みが締め切られるため、出展する展示会が決まったら早めに申し込みをしましょう。

・展示会の3ヶ月~6ヶ月前:ブース施工や装飾の段取り

 展示会の3ヶ月~6ヶ月前は、ブース施工・装飾業者との打ち合わせとなります。
 ブース施工や装飾を業者に依頼する場合、スケジュールがぎりぎりになると資材の都合から希望するレイアウトやデザインにできないケースもあるため注意しましょう。
 ブースの施工から装飾までワンストップで行う業者であれば、打ち合わせにかかる手間を省けます。
 また、展示会によっては施工・装飾つきのプランを提供しているところもあります。

・展示会の1ヶ月~3ヶ月前:担当スタッフと打ち合わせをして集客も行う

 展示会の当日にはブラを配ったり、商品やサービスの実演やデモを行うスタッフが必要です。
 1ヶ月~3ヵ月前には担当スタッフを決めて、当日の流れや説明方法を共有しましょう。
 来場者は実演を見ることで商品やサービスに興味をもったり、具体的なイメージを持つことができるため、実演練習もしておきましょう。
 また、同時期に自社の顧客を集客するための案内状やDMを送付することも忘れずに行います。
 その理由は、リード獲得が目的の展示会であっても、多くの人にブースに立ち寄ってもらうことで活気を演出し、周囲の人に興味をもってもらうきっかけになるからです。
 もちろん、商品やサービスの販売なら直接的な売り上げにつながったり、ブランディング強化にもなるでしょう。

・展示会の数日前:設営と機材テスト

 展示会の数日前は設営や機材テストを行います。
 ブースの設置は通路からでも中を見渡せられるような開放的なレイアウトに設営しましょう。通路から見渡せないレイアウトだと、来場者は「ブース内に入りにくい」「立ち寄りにくい」と感じてしまいます。
 また、ブース施工や装飾を業者に任せていたとしても、必ず会場に向かってネット環境やBGM、電子機器などの機材テストを行いましょう。
 開催当日だと、機材に問題があっても対応できない可能性があります。可能であればブース運営のリハーサルも行い、本番を迎える準備をしておきましょう。

 展示会の出展がスケジュール的に問題なく、ROIに問題なければ応募・申し込み手続きを行いましょう。
 出展の申し込みは電話やメールなど展示会によってさまざまなパターンがありますが、専用フォームからの申し込みが主流になりつつあります。
 また、出展の申請が終わったら、補助金・助成金の申請や遠方で出展を行うときは宿泊施設の選定なども行います。
 展示会の準備中は主催者と出展申し込みやブース配置、書類の提出・出展料の支払いなどで連絡を取り合うことが多くなります。

 この記事では、展示会出展で一般消費者のリードを獲得する方法を紹介しました。
 展示会の集客力を活用することで、自社商品やサービスをアピールしてリード獲得につなげることができます。
 展示会でより多くのリードを集めるためには、出展目的の明確化やターゲット層の設定、ブースデザインや資材の準備も必要です。
 展示会にはさまざまな準備が必要になるため、早いうちから企画を立案して出展に向けてスケジュール管理を行いましょう。
 ぜひ本記事を参考に、展示会への出展を検討してみてください。