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Newton MEDIA DATA2024
長期の定期購読者が多い、見て楽しめる科学雑誌
──1981年に創刊したNewtonは現在、発行部数約8万部と、日本一の発行部数となる科学雑誌です。
Newtonはスペースシャトルが初めて飛んだ1981年、地球物理学者で、TV出演などでも人気のあった名物教授の竹内均先生が初代編集長を務めて創刊されました。アメリカの雑誌「ナショナルジオグラフィック」を意識した、『見て楽しめる科学雑誌』というコンセプトが斬新で、多くの方の支持を得ました。一般の人向けで、中学生以上の方なら誰でも予備知識なしに読めること、全ページオールカラーで写真やイラストなどグラフィックを重視していることが、創刊以来の一貫した編集方針です。
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──長年、定期購読されている方が多いそうですね。
Newtonにはコアなファン、毎号欠かさず読みたいと言う読者が多くいらっしゃいます。そのため発行部数約8万部のうち、1万部ほどは今も定期購読です。創刊以来、30年、40年と定期購読を続けてくださっている方も多いんです。2023年に500号を突破しましたが、読者アンケートでは購入した雑誌を『すべて保存している』人が54.4%と、長年にわたって所有され、昔の号を読み返す方が多いのも大きな特徴です。
──読者層についても教えてください。
年齢層には大きくふたつの山があります。一つは中学から高校、大学生までの、主に10代後半の方。このような若い人は、中学や高校に入ったタイミングで両親などにすすめられて読み始めるパターンが多いようです。もう一つの山が40代、50代の方。この世代は若い頃から定期購読を続けられ、今でもお子さんとともに読まれている人が多いです。読者は比較的高学歴で、世帯年収が高い。教育熱心で知的好奇心が強いといった傾向があります。
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──最近は科学好きだけでなく、一般ビジネスパーソンの読者も多いようですね。
Newtonは『中学生以上なら誰でも予備知識なしに読めること』を編集方針にしています。高校で数学を専門的には勉強しなかった文系の人でも理解できる記事を心がけています。そのため、あらゆる産業で重要な科学技術の最新知識を手軽に得る手段として、一般のビジネスパーソンにも手に取っていただいています。AIやデータサイエンスが社会で不可欠なものになり、ビジネス現場でロジカルな思考の重要性が高まるなか、数学などの学び直しにも活用いただいています。
最先端の科学をいかに一般の人にわかりやすく翻訳するか
──人気の特集や最近の特集の傾向を教えてください。
創刊当初は物理、化学、生物学、地球科学などベーシックな科学の特集が中心でした。とくに宇宙や相対性理論などの特集の人気が高かったですね。90年代からは環境問題や、社会を直接的に変えるようなテクノロジーの特集がよく読まれるようになりました。
近年は読者の興味関心が多様化しており、数学、心理学や医療、健康なども含めた幅広いジャンルを扱うようになっています。最近、とくに売れ行きがよかったのはChatGPT特集です。微積分や虚数など数学関係の特集号もよく売れています。Newtonの特集を再編集した「Newton 別冊」や「超図解新書」「超絵解本」「科学の学校」などの単行本シリーズも多数発行しています。
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──記事を編集するうえで一番こだわっているのはどんなところですか。
今、科学技術の世界はどんどん複雑に、難しくなっています。それだけにその最先端の内容を、いかに一般の人にわかりやすいかたちに翻訳して伝えるかにこだわり、試行錯誤を重ねています。
その手助けとなる重要なイラストや図版にはとくに力を入れています。社内に芸術系大学出身のデザイナー、イラストレーターが複数名おり、編集者が監修者の意見を聞きながら、密に打ち合わせを行って制作しています。修正を何度も繰り返しながら、よりわかりすくインパクトあるイラスト、図版へと練り上げています。
──Newtonのイラストは見た目もインパクトがあるものが多いですね。
イラストや図版は単に正確でわかりやすいだけでなく、ぱっと見たとき、楽しさや驚きを与えるようなエンターテインメント性を重視しています。科学は本来、世界の見方や認識を変えるエキサイティングなものです。知的好奇心が満たされ、読んだことや図版で知ったことを『つい誰かに話したくなる』、そんな紙面づくりを何より重視しています。
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Newton MEDIA DATA2024
最も多く読まれているビジュアル科学雑誌「Newton」。写真・イラストを活用したビジュアルな誌面、正確さと公正さを追求した記事内容など、強みとする特長と読者データを紹介した媒体資料です。
第一線の研究者の協力で、信頼性が高く良質な、最新の情報を提供
──同時に正確で信頼性の高い良質な記事が、Newtonの圧倒的なブランド力につながっているのではないでしょうか。
科学に関する不確かな情報がネット上に氾濫している昨今、Newtonでは記事の正確性を何より重視しています。記事は基本的に博士号や修士号をもつ理系出身者を含めた編集者が構成を考え、各分野の信頼できるサイエンスライターに執筆を依頼しています。そのうえで全記事を、その分野の第一線の研究者、大学教授などに監修いただいています。
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ありたがいことに「自分は若い頃Newtonを読んで科学の道を志したので、監修に携われるのが嬉しい」と喜んで引き受けてくださる先生が多いんです。そのような専門家のネットワーク、協力体制に支えられていることが、創刊以来、私どもが一貫して信頼性の高い、良質なコンテンツを提供し続けることができている要因であり、強みでもあります。
──読者からのフィードバックを記事に反映するようなこともしているのですか。
記事に対して毎号、400人ほどの読者モニターからアンケートをとっています。どの記事がよかったのか、難しくなかったか、などコメントをいただき、反省点を次回の企画に反映させています。このような取り組みを創刊以来、ずっと続けています。実際に読者の方に集まっていただき、掲載予定の記事を読んでもらい、面白いかどうか、わからないところはないかなど意見を聞く会議も折に触れて開催しています。
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朝日新聞グループの一員として、さらに幅広い層に科学の魅力を発信したい
──この度、朝日新聞グループに加わったことによるシナジー効果への期待や展望を聞かせてください。
グループには朝日学生新聞社や、累計1,400万部を突破し、小学生に人気がある「科学漫画 サバイバル」という魅力的なコンテンツを擁する朝日新聞出版があります。これら科学への最初の入り口となる媒体と連携することで、より多くの小中学生、高校生にNewtonを手にとってもらいたいと考えています。
さらに、朝日新聞社の多様なメディアとの連携を通じ、今までリーチできなかった幅広い層にNewtonを読んでいただきたいですね。新聞社は「恐竜博」などのイベント開催、SDGsや環境問題などの啓発活動などにも熱心です。そのような取り組みにも、Newtonのブランド力や編集ノウハウで貢献できると考えています。
──最後に今後の抱負をお願いします。
Newtonは紙の雑誌に加えてデジタル版も刊行していますが、今後はデジタルでの展開をさらに積極的に進めていく必要があると考えています。『複雑に、難しくなってゆく世界の最先端の内容を、わかりやすいかたちに翻訳して伝える』という、これまでの経験や実績を活かしながら、朝日新聞グループの一員として、幅広い層に科学の面白さ、魅力を伝えることで、日本の科学の裾野を広げることに貢献していきたいと考えています。
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最も多く読まれているビジュアル科学雑誌「Newton」。写真・イラストを活用したビジュアルな誌面、正確さと公正さを追求した記事内容など、強みとする特長と読者データを紹介した媒体資料です。
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Newton編集部長。2002年ニュートンプレスに入社。科学雑誌Newtonの編集記者として、多くの特集記事を担当。2012年からはiPad版Newtonをはじめとするデジタルコンテンツの制作にも取り組む。2021年から科学雑誌Newtonの編集人(編集責任者)を担う。