進化するICTやAIの活用、最先端の教育トピックに触れる1,000人の学校関係者 「未来の先生フォーラム2024」現場リポート

 より良い学校教育を目指して自ら学び、専門性を向上させたいと考える学校関係者が集う教育イベント「未来の先生フォーラム2024」。2024年9月、桜美林大学新宿キャンパス(東京都新宿区)で2日間にわたって開催されました(主催:未来の先生フォーラム2024実行委員会 共催:朝日新聞社、桜美林大学)。約1,000人が来場し、多彩なテーマの講演・ワークショップに参加。また、会場に設けられた15の協賛企業ブースでは、各社の説明を熱心に聴く参加者の姿が見られました。そんな会場の様子を一部ご紹介します。

企業・組織様向け
販売促進支援プラン資料


未来の先生フォーラム 販売促進支援プラン 資料ダウンロード

95の講演やワークショップで先進事例を紹介

 講演やワークショップは、キャンパス内の13の教室やホールを使って行われました。デジタル技術の活用や情報教育のあり方、教員の働き方改革、探究学習の作り方など、多岐にわたるトピックが、2日間で計95コマ。大学などの研究者のほか、授業で先進的な取り組みをしている学校教諭も登壇し、現場での事例を数多く紹介していました。

img0263_調整

 特別プログラム「教育活動におけるテクノロジー活用の可能性と実装」では、東北学院大学の稲垣忠教授と東京学芸大学附属小金井小学校の鈴木秀樹教諭が、授業でのICTツール導入や生成AIの活用について議論しました。
 講演を聴いた、千葉県内の公立小学校で校長を務める女性は「生成AIの扱い方を教えることは子どもたちにとって大切なこと」とする一方で、「現場では生徒指導に追われるなど、ICTツールの活用が難しい側面もある」と悩みを抱えています。それでも、「このフォーラムでは最先端の話を聞くことができる。先生たちが自分の興味で学び、意欲を高められる良い機会」と言い、職場の学校でもフォーラムのことを広めたいと話していました。

 フォーラムのプラチナスポンサーを務める株式会社サテライトオフィス取締役・クラウド事業部長の岡裕明さんは、ICT教育の現在地をこう話します。

 「コロナ禍を経て、ここ45年で子どもたちに一気にツールが行き渡るようになり、学習についてのビッグデータが蓄積されてきている。これからは、そのスタディ・ログを活用し、個別で最適な学びを探していく時代です」

 教育機関向けGoogleクラウドサービスを展開する同社は、フォーラムで「教育現場のICTツール活用最新事例」という講演を行いました。登壇した岡さんが、実際の運用事例を絡めて、管理者側の懸念点をクリアしていったエピソードや、導入のフローを解説。全国の小中高から集まった教職員や、システム導入の担当者たちが熱心に耳を傾けていました。

全国から集まる教育関係者ら

 会場では2日間通して来場し、ひとつでも多くの講演やワークショップへ参加するという人もたくさんいました。パンフレットを広げて講演やワークショップを真剣に選んでいる来場者に、話を聞きました。

mirai-no-sennsei-2024050_調整

 東京都の江東区立中学校で英語教諭をしている男性は、「デジタル関連のプログラムが多いのかなと思って来場しましたが、いろいろなセミナーがあってどれも気になる。次は子どもたちとの関わり方についての講義を聞きに行くところです」。

 首都圏だけでなく、全国各地からも参加者が集います。

 学校を代表し、研修としてフォーラムを訪れたと話すのは、秋田県の公立高校に勤める数学教諭と英語教諭の男性二人。「今まさに学校で直面している課題に関する参加プログラムを選んでいるところ。情報教育、AI、探究学習などは特に気になるテーマです」
 ここ数年、「外部と連携して探究学習について学んだり、先端事例の情報収集に行ってきたりしなさいということで、学校からこのような研修への予算がつくようになった」と言います。「日々実務に追われる中で、新しいことを勉強する時間も機会もなく悩んでいたので、こういったフォーラムへの参加に予算を割いてくれることをありがたく思う」とのこと。「このフォーラムでいろいろな情報や学びを持ち帰って、自分たちの学校で実践できるものなのかどうか検討したい」と、意欲的に語りました。

 講演やワークショップの合間には、キャンパスの至る所で来場者同士の話に花が咲いている様子。全国の教育関係者が横のつながりを持ち、積極的に情報交換をしている姿が印象に残りました。

学校現場の課題と企業の強みを結びつける場に

 キャンパスの中には、15の協賛ブースも出展されていました。特に、探求学習についての様々な最先端プログラムや、生徒指導・生徒支援など現場業務をサポートするツール、教職員のスカウト型求人サイトなど、学校教育に変革をもたらす新たな提案が並びます。どのブースにも、興味深そうに話を聴く来場者の姿が見られました。

 前述のサテライトオフィスもブースを出展。生徒指導の効率化や、校務DXに関する相談などを受け付け、サービスを紹介していました。
 同社は、他の教育系フォーラムへの出展実績もあります。前出の岡さんによると「未来の先生フォーラムには、他のフォーラムよりも『現状をどう変えていこうか』、『どうしたらもっとより良くなるのか』と、教育の未来を真剣に考えている現場の先生が多く集まっている体感がある」と言います。今回、2日間の出展用に準備してきた700部の資料が半日でなくなってしまったとのことで、「追加の資料を用意しなければならない」と話していました。
 一方で、「(校務DXなど)我々のサービスは、(ブースで)現場の先生たちに見てもらってすぐビジネスとして直結するものではないのも事実です」とも。それでも協賛・出展を決めたのは、「教育現場の第一線にいる先生たちと、直接交流ができる貴重な機会だから」と岡さん。「ブースで、まずは現場の先生たちに興味を持って触っていただき、学校の課題を共有して、頼っていただくことが大事だと思っています」と話していました。

サテライトオフィス_岡裕明さん 株式会社サテライトオフィス 取締役・クラウド事業部長 岡裕明さん

 生徒支援DX、探究AI評価を行うICTツール、「Edv Path」の企画開発を行うEdvFuture株式会社も、シルバースポンサーとしてブースを出展。同社取締役COOの橋本竜平さんは、「出展にはいろいろな狙いがありますが、このフォーラムでは特に、現場に立つ先生たちの生の声が拾えることに意義があると考えている」と話します。
 「未来の先生フォーラムの来場者には、教育の先を見据えてどんどん先進的なことに取り組んでいきたいという教育関係者がとても多く、こちらとしても話しごたえがあるんです」と、橋本さん。「実際にプロダクトを使っている方から意見をもらうことも。熱心で優秀な先生たちだからこそ質の高いフィードバックがいただけて、プロダクト開発のアイデアにつながっています」

EdvFuture_橋本さん EdvFuture株式会社 取締役COO 橋本竜平さん

 ブースは、出展企業が一方的にツールやサービスを紹介するだけでなく、教職員たちの課題をキャッチアップする場としても機能している様子。実際にシステムやサービスを利用する現場の教職員たちとコミュニケーションを取ることで、改良を重ねてより良い製品作りへつなげていくという好循環も生まれています。

ともに学び続けた先に見える 教育の未来とは

 EdvFutureは、「これからの学校経営を再定義〜学力に依らない学びの空間作りに着目して〜」というテーマでパネルディスカッションを開催。誰一人取り残さない学校経営を目指す現場の先生たちと議論を重ね、「参加する方と一緒に、気づきを体験したい」と橋本氏は話します。
 「今は、子どもたちの学びも日々変わっていきますし、教育の思想自体が変わっていく過渡期。その変化のなかで、共に気づきを体験できるディスカッションになればと思い、企画しました」

 未来の先生フォーラムへ足を運ぶ教職員・教育関係者たちは、新しい学びや出会いに対してポジティブな方ばかり。フロンティア精神あふれる先生たちと、それをサポートする企業のプロフェッショナルたちとの出会いが、これまでの常識を変える新しい教育環境を創出する――。フォーラムの会場ではそんな化学反応が起きているようでした。

未来の先生フォーラムを活用した販売促進支援_ご協賛資料

企業・組織様向け 販売促進支援プラン

未来の先生フォーラムでは月1回程度のペースでテーマ別のウェビナーも開催。このウェビナーを活用した、企業・組織様向けの販売促進支援プランをご用意しています。

未来の先生フォーラム 販売促進支援プラン 資料ダウンロード