「オーサー・ビジット」が6年目を迎えてさらに充実

 子どもたちと本との出会いを応援する。そんな目標を掲げ、朝日新聞社が主催している「オーサー・ビジット」。6年目を迎えた今年度は、これまでで最多の30人のオーサー(本の著者・作者)が、全国の小・中・高校で魅力的な「出前授業」を繰り広げている。

 映画化、ドラマ化で話題の『バッテリー』の著者、あさのあつこさんが訪ねたのは、都内の中等教育学校。授業を受けないクラスも含め、160人の2年生全員が、あさのさんの作品を一作は読み、そのなかの好きな登場人物にあてた手紙を書いて、あさのさんが歩く廊下の壁に張り出していた。

 イラストレーターで絵本作家の荒井良二さんは、京都府の小学校へ。荒井さんの絵本をそろえたコーナーには、絵本の登場人物を模した、図書館司書手作りのぬいぐるみも並び、1年生でも思わず本を手に取りそうだ。

 「あの作者と会える!」「会えた!」という喜び、感激が、本との距離を縮め、本への扉を開く原動力になる。どの学校を訪れても、そう実感する。

 来春で満10年となる子ども向け読書案内紙面「おはなしのくに」「ブックサーフィン」のほか、この秋にはウェブサイト「どくしょ応援団」もオープン。「思わず本屋さんに駆け込みたくなる」ような活動をますます充実させたい。

(読書推進事務局長 堀田あゆみ)

9月26日、都内の中等教育学校で開かれた、あさのあつこさんによる特別授業
(撮影・白谷達也)