3月10日(金)、東京都内で「第54回宣伝会議賞(主催:株式会社宣伝会議)」の贈賞式が開催された。同賞は企業から課題を募り、コピー・CM企画を公募する日本最大規模の公募型広告賞。今回は中高生部門賞が新設されるなど公募のすそ野が広がり、合計40万4,273点の作品が集まった。
最高賞のグランプリには、日清オイリオグループの課題「日清オイリオの食用油を使って、揚げ物をつくって、おいしく食べて、元気になる! そんなキャッチフレーズ。」に対して応募されたという平山瑞帆氏(株式会社インサイト・ディレクション)のキャッチフレーズ「子どもが苦手なものは一度揚げてみる。」が輝いた。平山氏は受賞作品が生まれた背景として「着想は母親の言葉から。実体験はなにより強い」と話し、最終審査委員長のコピーライター・仲畑貴志氏は「今年は地に足の着いた健康的な作品が多かった。(グランプリ作品は)商品の利用チャンスを増やすことにつなげている、提案を含んだ王道の表現」と評価。「アイデアは日常に転がっている」と総括した。
今回の贈賞式に先立って、同会場では本賞のイメージキャラクターでもあるコムアイ(水曜日のカンパネラ)、コピーライターの谷山雅計、アートディレクターの秋山具義の3氏によるトークセッションも行われた。コムアイ氏はトークセッション内で「最後に人に響くのは、言葉にする前に感じる、もやもやした気持ちや感覚。そういうものを抱えて、それを言葉にする手順を丁寧に探していくことができるのが、いいコピーライターだと感じます」と語り、音楽と広告の相似について語った。
また今回の宣伝会議賞では2016年4月に発生した熊本 地震の被災地支援を目的に、応募作品1点につき10円の寄付も行われており、総額404万2,730円が熊本県・大分県などへ渡された。贈賞会場には長野恭紘・別府市長やくまモンも参加し、和やかな雰囲気に包まれた式となった。
主な受賞作品は下記の通り。※カッコ内は受賞者名・敬称略
<グランプリ>
子どもが苦手なものは一度揚げてみる。(平山 瑞帆)
課題:日清オイリオグループ 日清オイリオの食用油を使って、揚げ物をつくって、おいしく食べて、元気になる!そんな キャッチフレーズ
<コピーゴールド>
日付を書き込むだけで、余り物は作り置きになる。(速石 光)
課題:ニチバン もっとたくさんの人が「ワザアリテープ」を使いたくなるような広告アイデア
<CMゴールド>
「鮮度実感」篇(ラジオCM)
男「きれいな顔してるだろ、死んでるんだぜ。」
女「ウソでしょ...。」
NA「生きてるみたいに鮮度がいい。福島工業の冷蔵庫。」(吉賀 星斗)
課題:福島工業 これからの100周年に向けて、福島工業の魅力を伝えるアイデア
<眞木準賞>
「ソフトドリンク」とは言いにくい。(金澤 孝弘)
課題:サントリー/ペプシストロング5.0GVを飲みたくなるようなアイデア
<中高生部門グランプリ>
本気で殴りたい政治家ができました。(田中 崇貴)
課題:読売中高生新聞 10代が思わず新聞を開きたくなるキャッチコピー
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