アシックス商事株式会社が「エクストリームウォーク」に最高位の協賛 そのメリットや新商品への影響は

100kmを26時間以内に歩く、朝日新聞社主催のウォーキング大会「エクストリームウォーク」。東京と関西で毎年開催され、50kmを歩く大会もでき(2025年度は25kmも併設)、ますます注目を集めている。この大会の最高位の協賛であるゴールドパートナー契約を、22年から結んでいるのがアシックス商事株式会社だ。同社事業戦略本部ブランド戦略部ブランド戦略チーム マネジャーの杉本和博氏は、大会への協賛がスポーツウォーキングのカテゴリーを作る一つのきっかけになったという。協賛の経緯やメリットなどを伺った。

ウォーキング大会の上位カテゴリーと考え、事業協賛を決定 

  エクストリームウォークは、2019年から開催されているスポーツとしてのウォーキング大会。いくつかのチェックポイントを制限時間内に通過する必要はあるが、タイムや順位を競うものではない。20歳以上なら、国籍や性別、障害の有無などを問わず誰でも参加できる。東京開催であれば小田原城を出発し、湘南海岸沿い、都心へと歩を進め、自らの限界に挑む大会だ。 

 この大会に協賛した経緯について、杉本氏は「もともとアシックスには創業哲学『健全な身体に健全な精神があれかし』があります。すべてのお客様に、スポーツを通じて心身が健康になるような製品・サービスを提供する『ライフタイム・アスリート』という言葉を大切にしており、中でもウォーキングを重視しています。スポーツウォーキングをする人の目標になるような大会はあまりなかったのですが、エクストリームウォークは一つの目標となる大会だと思いました。大会が盛り上がっていることもあり、協賛を決めました」と話す。

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社員の参加がインナーコミュニケーションの活性化にも寄与

 東京、関西の大会とも、アシックス商事から毎回40~50人ほどの社員・家族らが参加している。20~60代と幅広く、大会の参加を機に社内でのコミュニケーションが活発になるのを感じるという。

  「100kmを一緒に歩くので、つらさや楽しさを共有でき、仲良くなるようです。大会後には山登りを楽しむなど、社員の輪が広がっていますね。50kmの大会ができたことで、エントリーするハードルが下がり、社内のいろいろな人たちが参加できるようにもなっています」

 杉本氏自身もエクストリームウォークに参加。学生時代に野球の経験があり体力に自信はあったが、歩いているといろいろなところが痛くなったり、夜中になると精神的につらくなったりもしたという。

 「一緒に歩いているメンバーと励まし合いながら進み、ゴールすると達成感を得られました。ウォーキング大会の良さは、マラソンと違って歩きながら食べたり、会話したりすることができ、五感でさまざまなことを感じられるところにあると思います。エクストリームウォークは、26時間以内に歩ききるという制限はありますが、スピードを競う大会ではなく、あくまで自分との戦いであるところも面白いですね」

 同社の社員で、エクストリームウォークの数々の大会を踏破した樋口慎也氏が、この大会の「歩くアンバサダー」として自身の経験をSNSなどで発信。これまでに10大会以上参加している社外のウォーキングレジェンドらとつながりを持ち、その声を社内に届けている。

「ウォーキングをスポーツに」イベント協賛を通じて得られた新カテゴリーの発見と新商品へのヒント

 エクストリームウォークに協賛するメリットとして、杉本氏は「スポーツウォーキングという新しいカテゴリーを作るきっかけの一つになった」と明かす。これまではウォーキングというと、シニア層が健康のために行うイメージが強く、ウォーキングシューズはシニアが喜ぶデザインがメインになっていたという。

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 「エクストリームウォークは、ウォーキングをスポーツとして楽しめることに気づかせてくれました。『歩くをスポーツに』というキャッチコピーのもと、スポーツウォーキングのカテゴリーを設けることになったのです。25年3月には、長距離ウォーキングを支える機能を充実させたウォーキングシューズ『GEL-RIDEWALK 2』を2色展開で発売し、好調な売り上げとなっています。オレンジっぽい色のサンライズレッドに根強い人気があることから一つはオレンジに。視認性が良く、エクストリームウォークで履いている人はすぐに分かりました。もう一つは、ベーシックなブラックです」

 「GEL-RIDEWALK 2」には、アシックススポーツ工学研究所が作ったランニングシューズから着想を得たガイドソール構造を採用。コロンと転がるように足を前へと送り出してくれるので、足首関節のエネルギー消費を抑え、歩行効率を高められる。ウォーキングシューズはランニングシューズとは異なり、転がりすぎると安定感を欠くので、靴底にフラットゾーンを設け、ウォーキングに最適となるように工夫している。

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エクストリームウォークを、ウォーキング大会の頂点にしたい

 杉本氏は、主催する朝日新聞社と一緒にエクストリームウォークをウォーキング大会の頂点となるように盛り上げたいとも話す。

 「ライトなウォーキング大会が数ある中で、100km歩くこの大会は過酷です。ですが、ナンバーワンのウォーキング大会にしたいという朝日新聞の方の思いにとても共感しますし、その思いを共有できるのも協賛しているメリットです」

 25年度は、50kmの大会に新しく25km部門が併設されるので、初心者が参加しやすくなる。杉本氏は、新規にエントリーした人の参加経緯を調査することも考案中だ。そのほか、エクストリームウォークで速く歩く人に最適な、スピードを重視したウォーキングシューズを26年春に発売予定だ。

 「現在、エクストリームウォークの100kmを歩く人の最速は15時間台。そのような方たちに、この新しいウォーキングシューズを提供して履いていただき、どれくらい速く歩けるかを試してみたいと思っています」

 また、エクストリームウォークなどのイベントを通して、ウォーキングエコシステムのようなものの構築も考えているという。

 「スポーツウォーキングを普及させるために、まずエクストリームウォークを認知していただく。大会に参加するにはウォーキングシューズが必要なので、最適なシューズをアシックスウォーキングの店舗で見つけてもらい、さらに弊社のウェブサイトやアプリでお得な情報を収集してもらって、また欲しいシューズを購入。そんなサイクルが構築できればと思います。ウォーキング大会に出場する多くの方は、まだランニングシューズを履いておられるので、歩行に適したウォーキングシューズを履いていただきたい。エクストリームウォークに協賛しながら、歩く楽しさをどんどん広めていきたいと思っています」

「エクストリームウォーク」媒体資料


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