求人広告を1ページで展開 企業への信頼を学生や親から獲得

 ITソリューションを提供するキーウェアソリューションズが2007年4月6日、求人を目的としたものとしては初の新聞広告を出稿した。同社人材開発室長の小川典雄氏にお話をうかがった。

小川典雄氏 小川典雄氏

── 新聞広告出稿の経緯、クリエーティブに込めたねらいなどをお聞かせください。

 学生を採用するために、インターネットを中心とした求人情報サービスを活用したり、就職セミナーや合同説明会に参加したりするなどの取り組みをしています。しかし、会社の知名度がまだ低く、どうしたら学生に知ってもらえるか、という課題を抱えていました。一昨年6月、ジャスダックに上場したことを機にいろいろと検討した結果、4月の新聞広告に踏み切りました。当社の基本的な姿勢を伝えるとともに、社長と社員が登場することで、様々な年代の人間に活躍の場があると表現しました。採用情報と、当社ホームページ上で展開する採用ページ「就活物語」へのナビゲーションも掲載しました。

── 新聞に期待した点は。

 学生に興味を持ってもらうため、また、ウェブにアクセスしてもらうためのフックとしてはもちろん、学生の親世代にも訴えることができると考えました。特に地方の学生の場合、親が賛成しないと入社しないといった風潮がまだあります。パンフレットも作成していますが、それだけではなかなかわかってもらえません。「新聞にこれだけの広告を出せる企業です。入社してもらったら大切に育て活躍してもらいます……」そんな気持ちを込めました。同時に、上場に伴って、社員やその家族に対しても会社の姿勢を示す必要がありました。広い層にメッセージを伝えるには、新聞は非常に有効なツールではないかと期待しました。何か心に残るキーワードがあれば、すぐにでも後からでも、確認できるのが新聞というメディアの特性だと思います。そんな意味では、一過性ではないメッセージを発信できるのが、新聞の持つ力だと再認識できました。

 2007年 4/6 朝刊 2007年 4/6 朝刊

── 反響は。

 営業の場や大学訪問の際に、広告を見せると非常に興味を持ってもらえたようです。朝日新聞の全国版に出したということで、信頼感を持って話を聞いてもらうことができます。また、会社が上場し、社員のことを真剣に考えている、新たなステージに登ったんだ、と実感してもらえたようで、インナー効果が高かったこともうれしい反響でした 。

── 今後についてお聞かせ下さい。

 採用に関しては、ウェブと新聞などをうまく組み合わせながら進めていく考えです。今回は社長と社員が企業を語る形でしたが、今後は違った表現を検討しています。たとえばドラマ仕立てなどにして、会社に親近感を持ってもらうような企画も考えています。