「どんな学びも人を支える」初野 正幸が語る仕事④ ―人生の幅を広げるために―

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転機を学びでチャンスに変える

 ユーキャンの通信講座は150近くあり、それぞれの受講者数は数百人から数万人と全く異なります。それに対して指導担当や講師は、ゴールとなる修了や合格まで本当に親身になって伴走しています。それは、受講者を集める役割の営業部門とはモチベーションが大きく違う。40代後半に指導部門に配属された私は、ここで初めて受講者の立場になって考えることがいかに大切かを知り、皆さんが挫折せずに学び続ける方法に知恵を絞るようになりました。
 受講者が講座で学んでみようという気持ちに至るまでには、おそらく色々な人生の紆余(うよ)曲折があると思います。どんな方がどんな楽しみや希望を持って申し込んでくださるのか、想像をかき立てられますね。例えば会社勤務の方が産休や育休で仕事から離れると、復帰後に元のポジションには戻りにくいという事情があると耳にします。そんな時に当社の講座に目を向けて頂けたら、これからの人生を考えるきっかけになるかもしれません。
 今、世の中では会社が従業員に学び直しを促す「リスキリング」が話題ですが、むしろ大事なのは、自分自身が主体的になり、どんな人生を送りたいか、そのためにどんな知識やスキルを生涯かけて学んでいくか、状況の変化に応じて選び取る力です。資格を取ることで転職する機会もありますし、また、じっくりと自分なりの学び方、よりよい生き方を探ることもできるのです。日々の暮らしや子育てをしていく中で困り事があったら、知識や対応する方法を学んでいくことも大切だと思います。
 近い将来70歳まで働くことが当たり前になっていくでしょうから、現在の仕事の周辺だけで判断せず、自分の暮らしに役立つことや趣味なども採り入れて人生を豊かにして頂きたい。仕事と学びのどちらも視野に入れて、生涯教育を考えてくださったらうれしいです。当社のメインターゲットのお客様は三、四十代の女性中心ですが、シニア向けの講座を専任で開発する部署もあります。親しみやすく、広く、長く寄り添っていける通信講座であり続けたいと願っています。

想像力を総動員して仕事に向き合う

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初野 正幸氏

 人生100年時代と言われるようになり、当社の新卒面接でも、生涯教育に関わる仕事をしてみたいという大学生がとても増えてきました。学校教育だと小学校なら小学生にしか教えられないけれど、当社なら老若男女全てに学びを届けられると、高い志を持って入社してきます。まだ20代の若い人たちのイメージする、人生100年時代の学びに期待を寄せています。
 また、当社の開発部門にいるメンバーには、できればアグレッシブさというか「自分がこの講座を作ったんだ!」というような自信も必要だと思っています。それは間違いなく開発担当にとって無常の喜びですし、思い切ったことを仕掛ける、次の挑戦にもつながります。講座開発では自身の悩みや課題から発想することも一つの方法ですが、年代や性別の異なるお客様の様々な楽しみ、悩み、キャリア感、またそこへ向かう努力など、一人ひとりが抱く理想や目的も忘れてはいけないと考えます。だからこそ想像力を駆使して、社会と人を見つめ続けてほしいですね。

初野 正幸氏(はつの・まさゆき)

(株)ユーキャン教育事業部執行役員


1964年生まれ。明治学院大学卒業後、87年(株)日本通信教育連盟(現・ユーキャン)新卒入社。以来一貫して教育事業に携わり、営業、指導、講座開発、新規事業とあらゆる業務に従事。現在は執行役員として、CMなどのプロモーションや商品開発を含むマーケティングの全領域を担う。