COVER PICK-UP ART

 広告朝日17号「企業を変える社会価値ブランディング」のCOVER PICK-UP ARTは和多利浩一氏の「REBORN ART FESTIVAL 2017」です。

広告朝日17号

 この夏、宮城県石巻エリアでアートと音楽、そして食の総合芸術祭「リボーンアート・フェスティバル2017」が開催された。51日間の期間中、石巻中心部と牡鹿半島のさまざまな場所に80点を超える現代アートの作品が展示された。仕掛けたのは、アート部門の総合ディレクションを務めたワタリウム美術館CEOの和多利浩一さんだ。

 「場所と作家のマッチングが重要だと思い、今までに一緒に仕事をした旧知の作家たちに声を掛けました」

 国内外から参加した39組の作家の顔ぶれは、草間彌生、バリー・マッギー、Chim↑Pomと幅広い。震災の傷痕を残しながらも着実に復興が進む石巻を何度も訪れ、地元の人たちと交流を深めながら制作した人もいた。

 「僕が彼らに伝えたのは、鎮魂にとどまらず未来に向けた希望のある作品にしてほしいということだけ。タブーを気にせず自由に作ってもらった結果、かなりエッジの効いた作品が多かったですね。それが古いポルノ劇場や地元の人も知らない浜辺や廃校跡など地域性の強い場所と融合し、今この瞬間にしか見られない奇跡のような風景を創り上げていました」

 現在、作品の一部を再構築した展覧会をワタリウム美術館で開催中だ。

 「作品単体でも十分おもしろいけれど、場所と融合するとまた違ったおもしろさが生まれる。次回は2019年(予定)。是非、現地へ足を運んで見てほしいですね」

 

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クリエーターインタビュー
今を生きる人たちに、生きたアートを見せていきたい ワタリウム美術館CEO・キュレーター 和多利浩一氏