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リスティング広告とは
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リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが検索したキーワードをもとに、検索結果上部に掲載される広告のことです。ユーザーの検索結果に連動して掲載されることから、検索連動型広告とも呼ばれます。
「集客数を増やしたい」「売上アップを目指したい」などの課題を解決するための、マーケティング手法です。ユーザーが広告をクリックして費用が発生するクリック課金を採用しており、他の手法に比べると費用対効果が高い特徴があります。
ここでは、リスティング広告について詳しく解説します。
媒体の種類について(Google・Yahoo!)
リスティング広告の主な出稿先は、GoogleとYahoo!です。どちらも高いシェアを誇っていますが、ターゲティングの方法や表示方法、自動入札機能などの細かい機能については違いがあります。
例えば、Googleのリスティング広告では子どもの有無や地図上から配信エリアを指定できるのに対して、Yahoo!にはこのような機能はありません。
一方で、Yahoo!では提携パートナーやメディアへの広告表示が可能であり、信頼性のあるメディアに掲載できるため、安心して利用できるメリットもあります。
ユーザー数はGoogleが多いため、まずはGoogle広告を活用し、併用する形でYahoo!広告を取り入れていくと効果的です。
リスティング広告とディスプレイ広告の違い
ディスプレイ広告は、閲覧サイトの広告枠に表示される広告のことで、画像や動画広告を選ぶこともできます。
また、ディスプレイ広告はユーザーの属性や興味関心、サイト訪問など、広告を閲覧するユーザーベースでターゲティングできることも特徴です。検索結果に基づいて広告が表示されるリスティング広告とは、アプローチできるターゲット層が異なります。
商品やサービスの購入意欲がありそれに気付いている顕在層がターゲットならリスティング広告、気付いていない潜在層がターゲットならディスプレイ広告が効果的です。
リスティング広告とSEO(自然検索)の違い
SEOは検索エンジン最適化の略称であり、検索エンジンの検索結果で自社が運営するWebサイトを上位に表示させるための取り組みのことです。
SEOは上位掲載への難易度は高いものの、一度表示されると広告費を支払わなくてもサイトへの流入が継続されます。
一方、リスティング広告は広告費を支払うと、すぐに検索結果の上位に広告を表示できることが特徴です。
リスティング広告でできること
リスティング広告では、以下のようなことができます。
-
- ユーザーの検索キーワードに合わせて広告配信ができる
- 表示する広告文を自分で決められる
- 広告費用の上限を自分で決められる
- 1日あたりの予算を自由に決められる
- 確度の高いユーザーにアプローチできる
このようにリスティング広告は、目的やターゲットに合わせ細かく配信設定をカスタム することが可能です。1日あたりの予算も決められるため、広告に慣れていなくても気軽に試せます。
リスティング広告のメリット
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リスティング広告を運用するメリットとして、以下の8つが挙げられます。
広告の表示効果が高い
リスティング広告のメリットとして、自然検索よりも上位に表示されるため、広告の表示効果が高い点 が挙げられます。リスティング広告は、ユーザーが検索したとき最初に目にする部分に広告を表示できます。
SEO対策の難易度は年々高まっており、時間や費用をかけても検索上位に表示できないことも多いですが、リスティング広告なら高い表示効果が期待できるでしょう。
購買意欲の高い見込み顧客に直接アプローチできる
購買意欲の高い見込み顧客に直接アプローチできることも、リスティング広告のメリットです。
例えば、「お歳暮 通販」と検索したユーザーは、通販でお歳暮を探している可能性が高いといえます。意図をもって検索しているため、リスティング広告でニーズを満たせば、広告に関心や興味を持ってもらえる可能性が高まります。
一方で、検索キーワードによってユーザーが抱える顕在的なニーズは様々であるため、広告で宣伝する商品やサービスのターゲット層に合わせたキーワードの設定が重要です。
リアルタイムで改善できる
リスティング広告は結果がリアルタイムで確認できるため、広告の表示数やクリック回数などの結果に応じて、早期にキーワードの設定変更や出稿取り止めを判断できます。
設定は管理画面で行うことが可能で、設定変更後はすぐに反映されます。
効果的なターゲティングが可能
リスティング広告は、曜日や時間帯も含めた広告設定が柔軟にできるため、効果的なターゲティングが可能です。
例えば、「東京 ラーメン ランチ」と検索するユーザーは、東京で昼間にラーメン店を探している可能性が高いといえます。ラーメン店がランチ時の集客に力を入れるためにリスティング広告を出稿するのであれば、広告の出稿時間を昼間に設定すると効果的です。
また、仮にサラリーマン を対象とするなら、年齢や性別も指定すると細かなターゲティングが可能になります。
即日配信スタートできる
即日配信スタートができることも、リスティング広告のメリットです。
リスティング広告には専用の管理画面が用意されており、画面の案内通りに進めていくと広告を掲載できます。担当者のチェックや条件交渉なども不要であるため、24時間365日いつでも掲載開始が可能です。条件が合えば、広告を掲載したいと思ってから数時間後に掲載できることもあります。
すぐに広告を出稿したいときにも、リスティング広告は便利です。
即効性がある
リスティング広告は必ず検索結果の上位に表示されるため、広告効果の即効性が高いメリットがあります。SEOの場合だとWebサイトが上位表示されるまでには期間がかかり、実際に上位表示されるという保証もありません。
その点、リスティング広告は必ず上位に表示されるため、短期間で集客を増やす効果が期待できます。
予算や出稿期間を柔軟に設定できる
リスティング広告は広告主側が自由に広告予定を設定できるため、予算に合わせて無理なく運用できます。
また、リスティング広告はクリックされる度に広告費が発生する仕組みであり、広告が表示されるだけでは費用が発生しません。想定以上にクリック回数が多くても、最初に決めた予算に達したら自動的に配信は止まります。
出稿期間や広告費も柔軟に設定できるため、キャンペーン中やセール中に予算を増やすような使い方も可能です。
ROI(投資対効果)が計測しやすい
ROIとは、投資した資本に対してどれだけの利益を得られたかを測る指標で、リスティング広告は効果が計測しやすいメリットがあります。
ROIの計算式は以下の通りです。
「(広告から得た収益-広告費)÷広告費×100(%)」
広告から得た収入が30万円で広告費が10万円だった場合、「(30万円-10万円)÷10万円×100%=200%」となり、10万円の広告費に対して200%の利益が出たことになります。
ROIの活用で、複数のリスティング広告を運用していた場合に利益率が高い広告が可視化され、効果が低い広告の出稿を辞めるという判断も可能です。
リスティング広告のデメリット
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リスティング広告はメリットばかりではなく、デメリットや注意点もあります。ここでは、リスティング広告のデメリットを紹介します。
クリック単価が高い
リスティング広告はクリック課金制を導入しており、クリックされるごとに広告費が発生する仕組みです。
クリック単価はキーワードによって異なり、検索回数が多いキーワードや競合が多いキーワードはクリック単価が高くなりやすく、想定以上に予算がかかってしまう場合があります。
クリック単価を抑えるためには、ニーズを細分化して競合を減らし、2つ以上のキーワードを組み合わせた複合キーワードで広告出稿することがおすすめです。
視覚に訴える訴求はできない
リスティング広告のデメリットは、視覚に訴える訴求ができない点です。テキストで構成される広告であるため、ディスプレイ広告のように画像や動画で視覚的なアプローチはできません。
特に、ファッション関係のようにビジュアルが重要な商品にはリスティング広告は不向きです。
競合他社との競争が激しい
リスティング広告は、誰でも見ることができる広告です。
そのため、競合他社が特定のキーワードを入力して検索結果を確認すると、どのようなテキストで広告を出稿しているかすぐに知られてしまいます。自社の広告を真似されたり、より訴求力のある広告作成をされたりすることで、競争が激しくなりやすいこともリスティング広告のデメリットです。
また、入札金額での順位争いが起こりやすく、競合他社も狙っている人気のキーワードだと、競争が激しくなって費用対効果が悪くなる場合もあります。
広告掲載ポリシーに制約を受ける
リスティング広告では、媒体の掲載ポリシーで使用を禁止している言葉や表現が決まっています。
例えば、第三者の商標使用や誤解を招く表現、利用できない特典、著作権を侵害している文言などです。
広告掲載ポリシーに違反すると、広告の審査落ちやアカウントが強制停止されることもあるため、注意する必要があります。
テキストの制約がある
リスティング広告のテキストには制約があります。GoogleもYahoo!も、以下のルールに沿って広告の作成が必要です。
- 見出し(3つまで)は30文字以内
- 説明文(2つまで)は90文字以内
- パス/ディレクトリ(2つ)は15文字以内
これらで決められている文字数はすべて半角表記となります。全角の場合は、1字が2文字となるため注意しましょう。
リスティング広告のはじめかた
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リスティング広告は、簡単にはじめることができます。ここでは、具体的なリスティング広告のはじめかたを紹介します。
アカウント構成について
リスティング広告を始めるにあたって、まずはGoogle広告アカウント開設ページ、もしくはYahoo!広告アカウント開設ページでアカウントの作成を行います。
次にそれぞれの商品やサービスをもとにアカウント構成を行いますが、GoogleもYahoo!も、アカウントは以下の要素で構成されています。
- アカウント
- キャンペーン
- 広告グループ
- 広告文
- キーワード
具体的な流れとしては、訴求する商品やサービスを端的に示すキーワードを設定し、そのキーワードを軸に関連性の高い複合キーワードを複数作成し、広告グループにまとめます。
アカウント構造がシンプルになると、従来の細分化されたアカウントよりも運用工数を削減でき、自動入札の精度向上でキーワード管理の手間を省けることがメリットです。
キーワードの選定
キーワード選定は、リスティング広告の効果を高めるための重要な要素です。
適当にキーワードを決めてしまうと自社ターゲットとは違うユーザーに配信してしまい、費用対効果が低くなる可能性があります。
PRするターゲットやニーズを洗い出し、検索語句を入力するユーザーの視点に立ちながら検索意図を考え、軸となる検索キーワードを選ぶことがポイントです。
広告のテキスト作成
キーワードを選定したら、ユーザーの興味を惹く広告のテキストを作成します。ユーザーは検索結果画面に表示されるいくつかの広告文を見ますが、その広告文から自身の悩みや課題を解決してくれるだろうと思う広告やWebサイトをクリックします。
どれだけ商品やサービスが優れていても、広告文で訴求できなければユーザーに情報を届けることはできません。
効果的なターゲットオーディエンスの設定
ターゲットオーディエンスとは、広告配信を行うユーザーの的を絞ることです。
訴求したい商品やサービスのニーズに合わせ、広告を配信する時間や場所、ユーザーの行動や興味関心などのデータに基づき、広告を配信するターゲットを設定します。
ターゲット以外のユーザーに広告が流れないようにするために、細かくターゲットオーディエンスを設定しましょう。
CPC(クリック単価)の設定、最適化
CPCは、「広告費÷総クリック数」で計算される1クリックあたりの単価のことで、CPCが低いほど広告の費用対効果は高いといえます。
CPCは事前に予算を設定しておくことも可能です。しかし、CPCを低く設定すると広告ランクが下がり、表示順位が低くなってしまうリスクもあります。
一方、CPCが高すぎると広告費が高くなることで費用対効果が低くなるため、予算や費用対効果に応じた設定がポイントです。
リスティング広告の運用ポイント
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リスティング広告で効果を出すためには、運用の最適化が必要です。ここでは、リスティング広告の運用ポイントを紹介します。
施策の目的を明確化する
リスティング広告では、広告運用によって達成したい目的を明確化させることが重要です。目的が明確化されると、広告運用で何に力を入れるべきかも見えてきます。
例えば、リスティング広告の運用目的が商品やサービスの認知なら、CPCを高めて競合他社のサイトよりも上位表示させることがポイントになります。
一方、長期的な売上アップを目的とするならCPCを高めることは費用対効果を下げることにつながるため、CPCを低くして運用するのもよいでしょう。
指標を決める(CPAやCTR、CPCなどの計算方法)
リスティング広告運用では、指標を決めて目標を掲げることもポイントです。代表的な指標としては、以下が挙げられます。
- CTR:クリック数÷表示回数
- CPA:広告費÷コンバーション数
- CPC:広告費÷総クリック数
例えば、CTRが極端に低いなら「検索ユーザーのニーズを満たしていないか」「広告文で訴求できていないか」などの可能性が疑われるため、キーワードや広告文の見直しを行います。
また、CPAが低いなら広告で訴求できても、商品やサービスの購入につながっていないことになるため、ランディングページ(広告をクリックしたときに表示されるWebページ)からコンバージョンまでの経路の見直しが必要になるでしょう。
競合他社の出稿状況を分析する
実際にGoogleやYahoo!で自社サービスの関連キーワードを検索し、どのような競合他社がリスティング広告を出稿しているか分析しましょう。
なお、Googleのリスティング広告を運用している場合は、Googleのオークション分析機能を使うと競合のインプレッションシェアや自社に比べて上位に表示される割合を調べられます。
CV(コンバージョン)につながりやすいキーワードを絞り込む
有効なキーワードを洗い出し、CVにつながりやすいキーワードを織り込むことで広告の効果を高めることができます。
CVとは、広告を通して商品やサービス購入、問い合わせなどに至ることです。キーワードの抽出方法は、Google Search Consoleの活用をおすすめします。
Google Search Consoleを活用すると、サイト全体における検索クエリや各検索クエリの表示回数、クリック回数を確認することが可能です。
これらを通してCVにつながったキーワードからユーザーが求める内容を分析し、CVにつながりやすいキーワードを選定していきます。
成果につながりにくいキーワードは除外設定する
リスティング広告では、成果につながりにくいキーワードを除外しましょう。広告が表示されるターゲットを絞り込み、費用対効果の最適化を図ることができます。
一方で、慎重にキーワードを選定しなければ機会損失につながる可能性もあるため注意が必要です。広告表示された検索語句を確認し、そのうえで関連性がない検索語句やムダな費用が発生している検索語句を除外しましょう。拡張と絞り込みをバランス良くおこなうことがポイントです。
ターゲティングを最適化する
リスティング広告では、ターゲティングの最適化を図ることが広告効果を高めるコツです。ターゲティングを最適化することで、広告は特定のユーザーグループに的確に届けられ、CVを増やすことにもつながります。
例えば、家電メーカーが新製品を売り出したいときは既存の顧客や家電に興味のあるユーザーをターゲットにすることで、新製品の知名度向上や初回購入者の増加につながるでしょう。
広告効果を高めるためにも、ターゲットが検索しそうなキーワードの選定が重要です。
ランディングページを最適化する
リスティング広告がクリックされても、その先にあるランディングページの内容が不十分だとCVにはつながりません。
そのため、以下のようなポイントを重視しながらランディングの最適化を図りましょう。
- ターゲットに共感されやすい魅力的なファーストビューを作る
- リスティング広告文とランディングページの内容を一致させる
- ストレスなくCVできる設計にする
- 入力フォームの最適化を図る
ファーストビューはLPの第一印象を決める部分であるため、キャッチフレーズやメインビジュアルで商品やサービスの魅力を端的に伝えることが大切です。ユーザーの年齢や性別などを踏まえ、共感されやすい文言や写真を選びましょう。
ランディングページはリスティング広告と相性がよく、上手く連動させることでCVの獲得数を増やすことができます。
まめに効果測定と改善を行う
リスティング広告の成果を出すためには、まめに効果測定と改善を行うことが大切です。初期設定のままだと成果が出にくいため、小まめに効果を測定しながら設定の調整を繰り返して改善を図ることで、費用対効果を高めることができます。
効果測定や改善を小まめに行うと時間や人手もかかるため、運用を継続するためのリソースを確保しなければなりません。
リスティング広告に必要な費用の計算方法と費用相場
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リスティング広告の費用は、クリック単価とクリック数で決まります。ここでは、リスティング広告に必要な費用の計算方法と相場を紹介します。
目標件数とコンバージョン単価から算出
リスティング広告の予算を決定するときは、目標件数とコンバージョン単価から算出するとよいでしょう。
コンバージョン単価とは、1件の商品やサービス購入を獲得するために、どれくらいのお金をかけられるかを数値化したものです。
例えば、コンバージョン単価が1,000円の商品を100個売りたいのであれば、リスティング広告に必要な費用は10万円となります。
キーワードとクリック単価から算出
リスティング広告の予算は、キーワードとクリック単価から算出することも可能です。Googleは「キーワードプランナー」、Yahoo!は「キーワードアドバイスツール」を利用することで、キーワードを抽出してクリック単価を知ることができます。
仮に1日10回のクリックを上限とするなら、1日のリスティング広告の予算は「10回×クリック単価」です。
費用相場は月20万円~50万円
リスティング広告の費用相場は、月20~50万円が相場です。
しかし、リスティング広告に力を入れている大企業なら月数千万円を超えたり、反対に個人事業主や小規模の企業なら月数千円〜数万円のケースもあります。
リスティング広告に最低金額はないため、自社の都合や競合他社の動向を把握しながら予算を決めるとよいでしょう。
リスティング広告が適しているケース・適していないケース
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リスティング広告は、すべての商品やサービスに適しているとは限りません。ここでは、リスティング広告が適しているケースとそうでないケースを紹介します。
リスティング広告が適しているケース
リスティング広告が適しているケースは以下の通りです。
ニーズが顕在化している
リスティング広告は、ユーザー自身が解決手段や悩み、目的を明確にイメージできている場合に効果的です。
例えば、「留学を検討しているので、オンラインで英会話を習いたい」というように、目的が明確であるならニーズが顕在化しているといえます。
仮に、「英会話 オンライン」と検索した際に、「空き時間で気軽に学べる英会話教室」という広告が表示されるとユーザーが興味を持ちやすく、クリックにつながる可能性も高まります。
検索エンジンを利用するセグメント層がターゲット
リスティング広告は検索結果画面に表示されるため、検索エンジンを利用するセグメント層をターゲットにする場合に向いています。
一方、SNSで情報収集されやすい商品・サービスや、検索エンジンを利用することが少ない高齢者などがターゲットの場合は不向きです。
何らかのニーズが発生し、問題解決の方法として検索エンジンを利用する習慣のあるセグメント層にリーチしたいときに、リスティング広告は最適といえるでしょう。
顧客単価が低くてもリピート率が高い商材
コスメや日用品のように、定期購入ができてリピート率が高い商品やサービスは、顧客単価が低くてもリスティング広告が効果的といえます。その理由は、定期購入してもらうことで大きな売上が見込めるためです。
リピートが見込める商品は、目標CPAを1つの商品やサービスから算出するのではなく、リピート購入を加味したうえで算出する必要があります。
季節や期間によってニーズが高まる商材
リスティング広告は季節や期間によってニーズが高まる商材もおすすめです。例えば、クリスマスやバレンタイン、母の日・父の日などが挙げられます。
なぜなら、検索をしている時点ですでに購入を検討している場合が多く、リスティング広告で訴求できれば成約につながる可能性が高くなるためです。単価が高くなくても利益を出しやすく、リスティング広告に向いているといえます。
競合他社がリスティング広告をリピート出稿している
競合他社がリスティング広告をリピート出稿している場合、その広告に成果が出ていると判断できます。
いくつかの検索キーワードで検索をかけ、自社の商品やサービスと顧客層が重複している競合他社が広告を出稿しているか分析してみましょう。
リピート出稿しているなら、自社で出稿しても効果が出る可能性は高いといえます。
リスティング広告が適していないケース
リスティング広告が適していないケースは以下の通りです。
ニーズが顕在化していない(潜在的)
リスティング広告は潜在的なニーズには適していません。
潜在層とは、自社が扱う商品やサービスに興味はあるものの、イメージが漠然としていて具体的な行動が取れていない層のことです。
例えば、「留学のために英会話を習いたい」というのは顕在的ニーズですが、「英語に興味がある」というレベルだと潜在層ニーズとなります。
幅広い層の認知度を高めたい
リスティング広告は検索キーワードに基づいて表示されるため、幅広い層の認知度を高めたい場合には不向きです。
幅広い層に配信して認知度を高めるなら、ディスプレイ広告が向いています。
テキストだけでは価値が表現できない
リスティング広告はテキスト中心の広告となるため、広告で商品やサービスの価値を表現したい場合は不向きです。
例えば、商品がファッションやアクセサリーの場合、ディスプレイ広告の方が向いています。
ただし、テキストの訴求のみでも魅力ある文章でクリックにつなげることができれば、その先のランディングページで視覚的なアプローチが可能です。
顧客単価が低くリピート率が低い商材
顧客単価が低くリピート率が低い商材は、リスティング広告に不向きです。
例えば、単価が数百円の食器や置物などは何度も買うものではなく、1個あたりの利益も低いため、広告にかかったコストを十分に回収できません。
ただし、高級食器のように客単価が高く1個あたりの利益も十分に確保できれば、リピート率が低くてもリスティング広告の効果は高くなります。
類似商品が多く、他社と差別化しにくい商材
類似商品が多く、他社と差別化しにくい商材はリスティング広告に不向きです。
例えば、書籍やCDなどの商品は大手販売サイトでも取り扱いがあり、自社で買ってもらうメリットもアピールしにくいといえるでしょう。
Web上だけで完結しない商材
リスティング広告の目的が売上アップである場合や広告効果を分析したい場合だと、Web上だけで完結しない商材は向いていません。
例えば、飲食店や美容室、ネイルサロンなどは来店してもらえると成約につながりますが、実際にどれくらい効果が出ているか計測しにくい特徴があります。
ただし、競合他社との差別化や顕在ユーザーへのアプローチという点では、Web上で完結しなくてもリスティング広告の効果は見込めます。
リスティング広告の活用事例
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ここでは、リスティング広告の活用事例を紹介します。
ECサイトの商品ページへの誘導
リスティング広告は、ECサイトの商品ページの誘導にも活用できます。特定の商品やサービスを購入したいユーザーが検索をかけた際、関連する広告をクリックし、その先に目当ての商品を紹介している商品ページがあれば購入に至る確率は高まるでしょう。
ECサイトで扱う商品に合わせてリスティング広告のキーワードを設定することで、商材と検索者のニーズを合致させることができます。
イベント・キャンペーンの告知
リスティング広告は、チラシの代わりとしてイベントやキャンペーンの告知に使うことができます。もともとの広告文をイベント・キャンペーン用に変えるだけで、自社のサービスや商品に関連する顕在層に効率よく告知できるでしょう。
また、仮にクリックされなくても広告文に概要が記載されていれば、イベントやキャンペーンの認知につながることもあります。
地域密着型サービスの集客
リスティング広告は地域を限定して配信できるため、地域密着型サービスの集客にも最適です。特に塾やスクール、クリニック、不動産屋など実店舗を持つ業種に向いています。
なお、地域密着型のリスティング広告を運用する場合は、「〇〇町 ネイルサロン」のように地域キーワードを入れることもポイントです。
リスティング広告のトレンド
リスティング広告は時代によってトレンドが変わっています。ここでは、リスティング広告における最近のトレンドを紹介します。
機械学習を活用した広告の自動化
近年のリスティング広告では、スマート自動入札やスマート広告などで用いられている機械学習を活用した広告運用の自動化がトレンドです。
リスティング広告の機能精度自体が向上していることもあり、運用者が最初に行うことは機会学習が最適に働くアカウント構造の構築です。
キーワードを精査したり、広告見出しの修正をしたりなど、機械学習が最適化されるようにアカウント構造を小まめに見直しましょう。
動画広告の導入
リスティング広告を行っている企業の中には、動画広告を導入しているところもあります。動画広告では、音と映像により短時間で情報を伝えられることが強みです。
リスティング広告の流入先となるランディングページに動画広告を挿入したり、YouTubeやSNSで動画広告を流したりすることで、特徴や価格、機能を魅力的に発信できます。
データ分析と連携した効果測定
リスティング広告は、データ分析と連携した効果測定もポイントです。分析のポイントとしては、以下のようなものがあります。
- 出稿キーワードの調査
- 競合出稿広告文の調査
- 外部要因の分析
- キーワード、タイトル、LPの統一性
- 入札単価の調整
- 広告グループの再設計
- キャンペーン予算の配分
それぞれのポイントごとに分析して効果測定を行い、改善点を洗い出して次の施策につなげていくことが重要です。
スマートフォンやモバイルの重視
スマートフォンやモバイルの重視 リスティング広告は、スマートフォンを始めとするモバイル端末を意識して運用することも大切です。
モバイル端末の特徴として、PCと比較すると画面が小さいことや、直接電話をかけられること、マウスの代わりに指を使用するなどが挙げられます。
そのため、モバイル重視のリスティング広告を運用するなら、電話番号の表示オプションを追加したり、ランディングページをスマートフォン仕様にしたりするのも効果的です。
また、一般的に右利きが多く片手で操作することが多いため、タップして欲しいボタンは右側に配置したり、小さい画面でもストレスなく入力できるようにランディングページの入力フォームの最適化を図ったりすることも有効な対策方法といえます。
リスティング広告の注意点
リスティング広告は、目的や費用対効果を意識して運用することが大切です。ここでは、リスティング広告の注意点を紹介します。
競合他社との差別化が重要
リスティング広告は、競合他社との差別化を図ることが重要です。
差別化するポイントとしては、価格・効果・実績・期間などが挙げられます。これらを調査や分析して、競合他社に比べて差別化できる部分を広告文に取り入れていくことが大切です。
自社サイトの広告文を競合他社と似たような内容にすると、ユーザーから広告詐欺と思われたり、競合他社とのトラブルに発展したりするリスクもあります。
広告予算の適切な設定
広告予算を設定する際には、初月から予算を確保しすぎないように注意しましょう。
無謀な目標を立てて広告配信を始めたことで、思うような効果が現れず、すぐに広告をやめてしまうケースもあります。
リスティング広告は、配信データの分析と改善を繰り返すことで効果が高まるため、数か月〜数年の運用を見越したうえで月々にかけられる予算を設定しましょう。
撤退ラインを決める
リスティング広告を運用して効果が不調だった場合に備えて、撤退ラインを決めておきましょう。どれだけ事前に分析や計画を練っていても、実際に運用すると思ったような効果が現れないこともあります。
問題点をしっかり洗い出して次の施策につなげるためにも、許容できるコンバージョン単価や費用を設定し、それに満たない場合は広告を一時停止することも大切です。
定期的なクリエイティブの見直し
リスティング広告は、効果に応じて定期的にクリエイティブの見直しを行いましょう。
クリエイティブとは広告文やキャッチコピーのことで、広告を閲覧するユーザーの気持は常に変わり続けています。以前はクリックされていた広告も、ユーザーの気持ちが変化することでクリックされなくなることもあります。
また、同じ広告が流れ続けることで、ユーザーからは「また同じ広告」と認識されてしまい、スルーされる可能性も高まるでしょう。
そのため、リスティング広告の効果が低くなってきた場合には、早めにクリエイティブを見直すことが重要です。
広告主の意図に沿ったカスタマイズが必要
リスティング広告は、広告主の意図に沿ったカスタマイズも必要です。
「商品やサービスの露出を増やす」「売上につなげる」「キャンペーンの告知をする」など、リスティング広告といっても目的は様々です。
「何のためにリスティング広告を運用するのか?」という意図を明確にしたうえで、広告文やキャッチコピーを考えたり、ターゲティングしたりすることが大切です。
まとめ
リスティング広告は顕在層のユーザーに対して効果的にアプローチができ、さらに低予算で始めることができます。キーワードやターゲティングに合わせて日々カスタマイズすることで、費用対効果を高めながら運用することが可能です。
一方で、潜在層へのアプローチや幅広い層への認知はディスプレイ広告や動画広告などが向いているため、目的に合わせて広告を使い分けることもポイントになります。
本記事を参考に、リスティング広告の仕組みやメリット、注意点を正しく把握し、効果的なマーケティングを行いましょう。