X広告ガイド 効果的な活用方法と成功の秘訣

SNSマーケティングが進化する中で、リアルタイム性や拡散力を強みとするX広告(旧Twitter広告)が日常的に利用されています。Xはプラットフォームとしてアクティブユーザーが多いことに加え、幅広い層にアプローチできるのが大きな強みです。一方で、X広告の効果を最大化するためには、独自の仕組みや運用ノウハウの理解が不可欠となります。この記事では、X広告の基本から種類、活用方法、成功の秘訣まで紹介します。
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 X広告(旧Twitter)は、Xのタイムラインや検索結果に配信される広告サービスです。
 ここでは、X広告の概要や重要性、他のSNS広告との違いを紹介します。

 ユーザーの日常的な投稿と同じフォーマットで表示されるため、広告であることを意識させずに、自然な形で情報を届けられる特徴があります。
 X広告の強みは、ユーザーによる「いいね」や「リポスト」を通じた二次拡散が期待できる点です。追加費用なしで多くのユーザーにリーチできる場合もあり、興味関心や行動履歴に基づく高精度なターゲティングができるメリットもあります。

 X広告が他のSNS広告と大きく異なるのは拡散力です。
 X広告は「いいね」や「リポスト」を通じて広告がユーザー間で急速に拡散しやすく、話題性の高いコンテンツやトレンドに合わせた広告は、大きな波及効果が期待できます。
 また、Xはユーザーが最新情報を求めて頻繁にアクセスしやすいSNSであるため、イベントやキャンペーンの即時告知にも最適です。

SNS広告全般の基本的な知識や活用法などは、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

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 Xの日本国内のユーザー数は、月間アクティブユーザー数6,700万人(2023年11月公表数字)にのぼります。
 また、総務省「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、男性の利用率が44%、女性の利用率が42.6%となっています。年齢層は20代がもっとも多いものの、10代から60代以上まで幅広く利用されているのも特徴です。男女比もほぼ均等であることや、年齢層も幅広いため、X広告はさまざまな層にアプローチできます。

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 X広告には、目的やターゲットに合わせて多彩な広告メニューが用意されています。
 ここでは、X広告の種類を解説します。

 プロモ広告は、Xのタイムラインや検索結果などに表示されるもっとも基本的な広告フォーマットです。
 通常の投稿と同じ形式で配信が行われ、プロモーションラベルが付与されるため、ユーザーに自然な形で情報を届けられるメリットがあります。
 テキストのみ、画像のみ、動画付きなど、多彩なクリエーティブに対応しており、ブランド認知やサイト誘導など幅広い目的に活用可能です。

 Amplifyスポンサーシップは、Xのプレミアムコンテンツパートナーと連携し、高品質なメディアコンテンツと一体化した広告展開ができる広告です。
 朝日新聞社はその主要パートナーの一つであり、朝日新聞(デジタル版)の記事タイアップ広告への広告ブーストや朝日新聞本紙で掲載した紙面広告を撮影した画像を高パフォーマンスで広告配信することができます。

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朝日新聞社「X Amplifyスポンサーシップ」

朝日新聞社による制作力とX社の媒体力を活かしたパッケージ商品「X Amplifyスポンサーシップ」。WEBタイアップページへの誘導ブーストや新聞広告のX拡散(カミバズ)が可能です

 この仕組みを活用することでパートナーである朝日新聞社のブランド力やコンテンツ力を借りて、自社広告の信頼性や認知度を大きく高められるのがメリットです。

 タイムラインテイクオーバーは、Xの広告枠を1日単位で独占できる広告メニューです。
 ユーザーがその日最初にXにアクセスした際に、タイムラインの上部に必ず広告が表示される仕組みとなっています。ブランド認知度や新商品、サービスの発表、キャンペーンの告知など、短期間で圧倒的なリーチやインパクトを実現します。
 また、動画や画像、カルーセルなど多様なフォーマットに対応しており、動画の場合は自動再生で視聴時間やエンゲージメントの向上が期待できることもメリットです。

 ライブ広告は、X上でのリアルタイム配信と連動した広告展開が可能な広告フォーマットです。
 スポーツ中継や音楽ライブなどの生配信コンテンツと組み合わせることにより、視聴者の熱量やその場の盛り上がりを活かした広告の訴求ができます。ライブ中のタイムリーな訴求や、イベント参加者へのダイレクトなアプローチに優れるのが特徴です。
 リアルタイム性を活かしたマーケティングや、ライブイベントと連動した施策に適しています。

 ダイナミック商品広告は、ユーザーの興味や行動履歴に基づき、最適な商品やサービスを自動で表示するパーソナライズド広告です。       
 ECサイトの閲覧履歴やカート情報などを利用し、ユーザーごとに異なるクリエーティブの配信ができます。購入意欲の高いユーザーに対して効果的な商品訴求ができ、リターゲティング施策にも効果的です。
 特に大量の商品を扱っているEC事業者や、個別最適化による広告効果の最大化を目指す企業に有効です。

 X広告は、詳細なターゲティング設定やA/Bテスト、効果測定ツールなど多彩な機能を備えているのが特徴です。
 年齢、性別、地域、興味関心、デバイスなど多様な条件で配信対象を絞り込めるだけでなく、キャンペーンごとに目的や目標を設定できます。
 リアルタイムでのパフォーマンス分析やクリエーティブの差し替えも簡単にでき、柔軟かつ効果的なマーケティング施策が可能です。拡散力やリアルタイム性を活かし、話題化やトレンド形成、ブランド認知拡大など多様な目的に活用できます。

 Xオーディエンスプラットフォームは、Xだけでなく、外部のモバイルアプリやWebサイトにも広告を配信できる拡張型広告ネットワークです。
 広告主は既存のX広告キャンペーンのクリエーティブをそのまま活用し、Xユーザー以外の幅広いオーディエンスにもリーチできます。
 ターゲティングやパフォーマンス測定もX広告同様に行うことができ、1クリックで複数チャネルへの広告展開が可能です。これにより、キャンペーンの規模拡大や新規顧客の獲得などを効率的に実現できます。

 フォロワー獲得広告は、Xアカウント自体を宣伝し、自社やブランドのアカウントをフォローしていないユーザーに対してフォローを促す広告です。
 タイムラインや検索結果、プロフィールなどに表示され、興味や関心、属性に基づいてターゲティングしたユーザーにアカウントを訴求できます。
 ただし、フォロワー獲得広告は2023年8月11日に提供が終了となっているため、現在は利用することができません。

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 X広告では、多様なクリエーティブフォーマットが用意されており、広告主は目的や訴求内容に合わせて最適な形式を選択できます。
 ここでは、X広告のクリエーティブの特徴を解説します。

 テキスト広告は、シンプルな文章のみで構成される広告フォーマットです。
 標準的なポストと同様にタイムラインなどに自然に溶け込み、ユーザーに違和感を与えにくいメリットがあります。ブランドやサービスの特徴、キャンペーン情報などを、端的に短く訴求したい場合に有効です。
 また、画像や動画を使わずに配信できるため、他のクリエーティブに比べるとコストを抑えやすいメリットがあります。幅広いターゲットへの認知拡大や、情報の即時拡散を狙う施策に最適です。

 画像広告は、1枚の画像とテキストを組み合わせて訴求する広告フォーマットです。
 視覚的なインパクトでユーザーの目を引きやすく、ブランドや商品の魅力をダイレクトに伝えられることが大きなメリットです。画像は最大4枚まで追加可能で、JPEGやPNG形式に対応し、最大5MBまでの容量に対応しています。
 画像広告はWebサイトへの誘導やアプリのプロモーション、キャンペーン告知など、幅広い目的で活用されています。

 動画広告は、動画を使ってブランドや商品、サービスの魅力を伝えられる広告フォーマットです。
 ユーザーのタイムラインや検索結果などに自然に表示でき、自動再生機能によって高い視認性が実現できます。
 また、Xの動画広告は短尺から最長2分20秒まで対応しており、ブランドストーリーや商品デモ、キャンペーン告知など幅広い目的で活用できます。
 さらにターゲティング精度も高く、ユーザーの興味関心や検索行動に合わせて、効果的にアプローチできることも大きな強みです。

 Xのカルーセル広告は、1つの広告内で2〜6枚の画像や動画を横にスワイプして表示できる広告フォーマットです。
 複数の商品やサービスを一度に紹介したり、時系列でストーリー性を持たせて訴求したりできるメリットがあります。
 また、各カルーセル広告ごとに異なるリンク先や見出しの設定も可能であり、ユーザーの興味に合わせて多様なアクションを促すことができます。
 静止画や動画のサイズ規定は、他の広告フォーマットと同様であるため、既存のクリエーティブの組み合わせでも作成可能です。

 モーメント広告は、X上で複数のポストをまとめて一つのストーリーやテーマとして展開できる広告フォーマットです。
 一連のポストをまとめて発信できるため、文字数にとらわれることなく、多くの情報やストーリー性を持たせた訴求ができます。
 画像や動画も組み合わせて掲載でき、ブランドの世界観やキャンペーンの流れ、イベントレポートなどを時系列で効果的に伝えることも可能です。
 また、モーメントは自分や他のユーザーの投稿をカテゴリーごとに整理し、気になる話題をまとめられるため、話題化やバズを狙うプロモーションにも効果が期待できます。

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 X広告の費用は、広告主が目的や予算に応じて柔軟に設定できるメリットがあります。
 ここでは、X広告費用の算出方法や知っておきたい指標について解説します。

 X広告費用は、入札方式と課金方式によって決まります。
 X広告はオークション制を採用しており、広告主が設定したターゲティング案件ごとにリアルタイムで広告枠を競い合います。
 オークションで勝った広告がユーザーの画面に表示されますが、単純に入札金額が高いだけでなく、広告の品質も評価されて総合評価が高い広告が優 先される仕組みです。
 ちなみに、X広告の入札方式には以下の3種類があります。

入札の種類

概要

自動入札

設定した予算内で、最小限の費用で最大の効果が得られるよう、入札が自動的に最適化される

上限入札単価

クリックや表示など1回のアクションごとに支払う最大金額を広告主が設定する

目標入札単価

1日あたりの平均コストやコンバージョン単価など目標を設定し、その範囲内でXが自動的に入札額を調整する

 このように、目的や予算、運用経験に応じて最適な入札方式を選ぶことが、効果的な広告運用の第一歩となります。

 X広告費用の課金方式は、どのアクションで費用が発生するかを決める仕組みです。
 課金方式には、以下の3種類があります。

課金方式

概要

選ぶポイント

CPM(Cost Per Mille/Cost Per Thousand Impressions) 広告が1,000回表示されるごとに課金される方式 短時間で多くのユーザーにリーチしたい場合
CPC(Cost Per Click) 広告がクリックされるごとに課金される方式 資料請求、Webサイト誘導など具体的なアクションを狙いたい場合
CPE(Cost Per Engagement) いいね、リツイート、返信などのエンゲージメントが発生した際に課金される方式 SNSでの拡散や話題化、ユーザーの反応を重視するキャンペーンを行う場合

 広告目的やターゲットに合わせて、最適な課金方式を選ぶことで、費用対効果の高い広告運用が実現できます。また、課金方式はテスト配信や効果測定なども行いながら、定期的に見直すことも大切です。

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 X広告を成功させるためには、明確な目的とユーザーの心をつかむクリエーティブが欠かせません。
 ここでは、X広告を成功させるためのポイントを解説します。

 効果的な広告クリエーティブを作るにあたって、キャッチーなタイトルと簡潔な広告文でユーザーの興味を瞬時に惹きつけることが大切です。
 広告が何を伝えたいのかが瞬間的に分かるように意識し、ブランドの個性や訴求ポイントを明確に盛り込みましょう。
 ビジュアル面では、高解像度の画像やわかりやすい動画を意識し、鮮やかな色使いや人の表情が見えるようにすると印象に残りやすくなります。
 また、複数のクリエーティブを用意し、A/Bテストや効果測定を繰り返して最適化することも重要です。

 X広告でエンゲージメントを高めるためには、ターゲットに合わせた投稿時間の最適化がポイントです。
 フォロワーの属性や行動パターンの分析を行い、もっとも活発にXを利用している時間帯に合わせて広告を配信することで反応率も高まります。
 また、ユーザー参加型のキャンペーンやアンケートを実施し、フォロー&リポストやコメントで参加できる仕組みを作ると多くの反応を集めやすくなります。
 さらにユーザーとの積極的な交流や返信を心がけ、関係性を築くことで継続的なエンゲージメント向上につながるでしょう。

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 X広告を運用する際は、広告ポリシーや利用規約の遵守が必須です。
 ここでは、X広告の運用で具体的に注意するポイントを解説します。

 X広告を出稿する際には、Xの広告ポリシーや利用規約をしっかり守ることが大切です。
 禁止されている表現やコンテンツは審査で非承認となる場合があるため注意しましょう。
 特にユーザーに誤解や不快感を与える表現、過度な露出、暴力的な画像、誤情報などは審査落ちの原因となります。
 また、法令や規制の遵守も求められており、違反しているとアカウント停止や広告配信中止のペナルティを受けるケースもあります。

 広告疲れは、同じ広告が何度も表示されることで、ユーザーが飽きたり、無意識にスルーしたりすることです。
 これにより、クリック率やコンバージョン率が低下するリスクがあります。
 広告疲れを防ぐためには、以下の対策が有効です。

  • 1人のユーザーに対する広告表示回数を制限
  • 複数の広告素材やデザインを用意し、定期的に入れ替える
  • 興味関心や属性を絞って配信し、無駄な広告表示を減らす
  • 長時間同じ広告を流し続けず、適切なタイミングで内容を見直す

 これらを組み合わせることにより、ユーザーの広告疲れを防ぎ、広告効果を持続させやすくなります。

 X広告を運用するにあたって、ネガティブフィードバックの管理も重要となります。
 X広告を運用していると、否定的なコメントや通報など、さまざまなネガティブフィードバックを受けることがあります。これらを適切に管理することは、広告のパフォーマンス維持やブランドイメージの保護にとって重要な要素です。
 また、ユーザーからのコメントや反応は、サービスや広告への意見として真摯に受け止める姿勢も重要となります。批判的な内容も、内容によってはサービスやクリエーティブの改善につながるヒントになります。
 一方で、悪質な誹謗中傷やスパム、不適切なコメントは非表示や削除などを検討しましょう。

 X広告は、リアルタイム性と拡散力を活かし、幅広いユーザーにアプローチできる効果的なSNS広告です。
 広告効果を最大化するためには、明確な目的設定や緻密なターゲティング、魅力的なクリエーティブの作成が欠かせません。
 また、運用時は広告ポリシーの遵守や広告疲れ対策、ネガティブフィードバックの管理を行うことも大切です。
 X広告は効果測定と改善を継続しながら運用を最適化することが成功のカギとなります。X広告を効果的に運用したいという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

※仕様などは20258月時点の内容