空気やニオイのお悩み解決に貢献する「ジアイーノ」の可能性を、朝日新聞社のコンサルティングサービスで明らかに

 パナソニックはシニア市場におけるジアイーノの可能性を探るべく、朝日新聞社のコンサルティングサービスを活用し、受容性調査などを実施しました。朝日新聞社とタッグを組んだ理由や結果について、パナソニック株式会社空質空調社でジアイーノのマーケティングを担当している田頭裕子氏に伺いました。

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アクティブシニア層と在宅介護世帯のニーズを発掘

──ジアイーノの商品特性について教えてください。

 ジアイーノは本体内で自ら作る新鮮な次亜塩素酸の力で空気をきれいにする空間除菌脱臭機です。その機能は空気清浄機と異なります。空気洗浄機は空気中の汚れをフィルターや静電気などでキャッチしているのに対し、ジアイーノは次亜塩素酸水溶液で菌やニオイを分解し、抑制します。花粉やハウスダストを除去する集じん機能や、加湿機能にも優れています。2013年に業務用として販売を開始し、介護施設や病院などでの導入が増える中で、「非常に効果が高いので家庭用もあったらいい」というお声をいただくようになり、2017年に家庭用ジアイーノの販売を開始しました。

サイズ調整_ジアイーノ_パナソニック提供_main01-3000px 画像提供:パナソニック

──家庭用ジアイーノの想定ユーザーは?

 小さなお子さんがいる世帯や、高齢者のいる世帯、ペットを室内で飼っている世帯、在宅介護をしている世帯、主にこの4つの世帯を想定しています。発売当初のアンケート調査では、ペットを飼っている世帯のジアイーノへの関心度が最も高く、まずはその世帯を中心に訴求を開始しました。

──朝日新聞社に今回依頼した背景について聞かせてください。

 当社は朝日新聞社のペットメディア「sippo(シッポ)」の協力を得て、2021年より「ジアイーノ保護犬猫応援プロジェクト」を開始し、動物保護団体へのジアイーノの寄贈を通じて犬猫の保護活動を支援している他、「パナソニック保護犬猫譲渡会」を開催しています。こうした活動を通して、ペット市場におけるジアイーノのプレゼンスを高めるとともに、次のステップとして、シニア市場における可能性を探っていきたいと考えています。朝日新聞社はシニアに関する知見が豊富で、アクティブシニアの読者コミュニティ「Reライフプロジェクト」や、認知症や介護に関する専門サイト「なかまぁる」があると伺いました。さらに昨年新設のビジネスソリューション部にてコンサルティングの取り組みを始めたと伺い、シニア層の受容性調査を依頼しました。

──当初、シニア世帯のニーズをどのように捉えていましたか? また、課題としていたことはありますか?

 大きく2つのニーズがあると考えていました。1つは、ウェルビーイングの意識が高いアクティブシニア層の「毎日きれいな空気を吸っていつまでも元気でいたい」という除菌のニーズ、もう1つは、在宅介護世帯の「家の中のニオイを軽減したい」という脱臭のニーズです。アクティブシニア層に関しては、「顕在化している除菌のニーズ以外にどのようなニーズがあるのか」「日々の暮らしの中で、どんなことにQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上を感じるのか」などの探索を課題としていました。在宅介護世帯に関しては、「ニオイに関してどんな対策をしているのか」「対策しても解決できないお悩みは何か」など、顕在化しているニーズの分析・検証を課題としていました。

朝日新聞読者の回答に多くの驚きと気づきがあった

──具体的にどのような調査を行ったのでしょう。

 アクティブシニア層に向けた調査はReライフの読者会議における定量調査と、デプスインタビュー(1対1の定性調査)を行いました。また、在宅介護世帯向けにはなかまぁるでの定量調査を実施しました。
 複数の選択肢の中からあてはまるものを選んでいただく定量調査は設問が大量だったので、「こんなに答えてくださる方がいるだろうか」と不安でしたが、合わせて約1,200件にのぼる回答が集まり、驚きました。自由記述欄もギッシリと書いてくださる方がたくさんいてその熱量にも驚きましたが、読者のお悩みや課題などを本音で書いてくださっていて、まるでデプスインタビューをしたかのようでした。
 中には在宅介護の深刻な悩みを切々とつづってくださった方もいました。朝日新聞の読者層は、課題意識の強い方や、社会に対して積極的に意見を発信したい方が多いのだと思います。
 特に、在宅介護世帯向け調査の設問を設計してくださったのは、長年介護現場を取材してきた編集者さんや、なかまぁるの立ち上げに携わった方など、シニア領域の専門知識を持つ方々。当社が設計したら、除菌や脱臭などの製品機能に関する質問にどうしても偏ってしまっていたと思います。朝日新聞社のみなさんは専門知識をいかしつつ、より第三者的な視点に立って「買い物が億劫」「親を病院に送り迎えするのが大変」など幅広いシニアのお悩みを提示し、その中で部屋の空気の汚れや在宅介護のニオイのお悩みがどの位置に来るのかを明らかにしてくださいました。

──調査の結果を通じて、どのような気づきがありましたか?

 在宅介護世帯への調査では、暮らしで直面する数あるお悩みの中でニオイのお悩みが2位に来たことが衝撃的でした。特に在宅介護のニオイのお悩みは、人に打ち明けられず抱え込んでいる方が多く、一般的な調査ではなかなか可視化しにくいのです。今回の調査で、悩んでいるニオイは尿臭なのか、便臭なのか、体臭なのか、あるいは他のニオイなのか、といったことも見えてきました。それが見えてくると、今示しているエビデンスで足りているのか、他のエビデンスを示したほうがいいのでは、といった検討もできます。また社内に向けて「数百万世帯にのぼる在宅介護世帯の中で、このくらいの割合の世帯がニオイに悩んでいる。事業が成長すれば、市場規模はこのくらいになる」と、具体的な数字を示して説明できるようになったことも大きかったです。

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朝日新聞社の第三者的知見を課題解決に活かしていきたい

──今回の調査結果を今後の販売促進や広告戦略にどのように活かしていきますか?

 在宅介護世帯のお悩みの1位は、コミュニケーションに関することで、「介護する自分はニオイの問題を解決したいが、親はニオイを気にしていないので、ジアイーノを買いたいと言い出しにくい」などのお悩みを持つ人が多いことが分かりました。介護される側の自尊心というナイーブな問題が潜んでいるだけに、「介護のストレスが緩和された」「親子の関係が良くなった」「日々の暮らしが明るくなった」といったことが、機能的な価値に比肩する重要な価値であることに気づかされました。介護される側も介護する側もストレスやQOLの改善につながることを上手く発信していけたらと思っています。

──朝日新聞社が提供するビジネスソリューションのご感想は。

 当社は「Club Panasonic(クラブパナソニック)」というコミュニティを運営しており、このコミュニティ内でお客様にご意見を伺うこともできるのですが、パナソニックユーザーに偏っていないフラットな朝日新聞の読者や、朝日新聞社の皆さんの忌憚のないご意見は貴重でした。商品改善やコミュニケーションプランにおいても引き続きご意見をいただきたいですし、朝日新聞の読者の皆さんにジアイーノを実際に使っていただき、率直な感想や改善要望をいただけるような取り組みも検討していきたいです。
 また今回は、シニアの皆さんや在宅介護をされている方の情報源についての調査も参考になりました。例えばケアマネージャーさんたちにジアイーノを知っていただくにはどうしたらいいかなど、商品の効率的な伝え方についても引き続きご相談させていきたいです。

──最後に、今後の展望について聞かせてください。

 パナソニックは、ただ製品を売るだけの会社ではなく、製品を通じた社会生活の改善と向上を使命としているブランドです。人生100年時代をどう健やかに幸福感を感じて生きるか、在宅介護の負荷をどう軽減していけるか、といった社会課題に対して、ジアイーノはもっと貢献できる商品だと考えています。朝日新聞社に依頼したのも、読者を含めて社会課題に対して常に真剣に取り組んでいるメディアだからです。在宅介護に関する課題は「介護と仕事を両立したい」「介護の悩みを相談できる仲間が欲しい」など様々ですので、朝日新聞社の伴走を得ながら、ゆくゆくは介護業界全体を巻き込んでいけるような取り組みができるといいなと思っています。

田頭 裕子(たがしら・ゆうこ)

パナソニック株式会社空質空調社 マーケティング本部日本マーケティングセンター 空気事業マーケティング統括部 家電企画推進部企画課 新需要係主幹。2004年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック ホールディングス株式会社)に入社。2019年から空質家電(衣類乾燥除湿機、ジアイーノ、空気清浄機など)のマーケティングを担当。

 

朝日新聞社シニア領域におけるソリューション事例


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強みは、知見×ネットワーク×コミュニティ 現場視点・生活者視点のソリューションを提供

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朝日新聞社メディア事業部ビジネスソリューション部ビジネスディレクター
神出亮

 今回のご依頼は、シニア市場における「ジアイーノ」の成長の可能性を探るという内容でした。そこで、課題のヒアリング、与件整理、仮説構築、調査設計、Reライフコミュニティを活用したアクティブシニア受容性調査、なかまぁるを活用した在宅介護の受容性調査、調査結果をふまえた中長期的なマーケティング戦略の提案――、大きく以上の流れでシニア市場におけるジアイーノの需要の探索を実施しました。
 リサーチにおいては商品の提供価値が機能面に終始しないよう、編集部の専門的知見と生活者の実態に基づいて幅広い設問を設計し、エンゲージメントが高いコミュニティの方々のリアルな本音やお悩みを引き出しました。調査結果をもとに新たなエビデンスの必要性や、プロダクトの小型化・省力化の重要性も指摘させていただきました。
 アクティブシニア層と在宅介護の2つの調査を行った結果として、特に在宅介護のお悩みが深刻であることから、今後本格的に在宅介護市場マーケティングのご支援をさせていただければと考えています。

 ビジネスソリューション部では、以下の3つの強みを活かして専門性の高いソリューションを提供し、企業の多岐にわたる事業支援に貢献していきます。

① メディア運営の現場で培った正確で信頼性の高い「知見」
② 朝日新聞社が運営する様々な専門メディアの記者、編集者、有識者やステークホルダーとの「ネットワーク」
③ エンゲージメントが高いユーザーとリアルにつながる様々な「コミュニティ」と「顧客データ」

 これらの強みを生かしながら「顧客課題」「社会課題」「生活者課題」の本質に迫っていきたいと考えています。

 私自身は長くヘルスケア領域のビジネスを担当し、前立腺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など様々な疾病啓発キャンペーンに携わる中で、医療分野の専門家や、患者様とそのご家族から学ぶ機会が多くありました。その後、認知症・介護に関する専門サイト「なかまぁる」の立ち上げと運営に携わり、介護・ケア領域の方々と関係を築いてきました。
 あらゆる領域でシニア向けのマーケティングが求められている今、様々な形でシニア世代とエンゲージメントを持つ朝日新聞社への期待値が高まっていると実感しています。また、シニア領域に限らず、社会課題に関する取り組みは朝日新聞社の重点領域です。持てるリソースを結集し、社会課題解決に資するソリューションを提供していきます。

朝日新聞社シニア領域におけるソリューション事例

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朝日新聞社が報道やメディア運営の中で培った現場視点、生活者視点を基に、企業のビジネス課題に対して専門性の高いソリューションを提供します。事業検討から実行、分析、改善の各フェーズで生活者・専門家の「生きた声」を取り入れつつ、一気通貫の伴走型支援が可能です。

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