女性の悩みや不安に寄り添い、様々な選択肢を提示

 恋愛・結婚、妊娠・からだ、育児・家事、キャリア・仕事……。ライフイベントが集中する20代後半から40代前半の女性が直面する悩みや不安に寄り添い、女性の自分らしい生き方をともに考える。そんなコンセプトで運営されているWEBメディア「telling,」の柏木友紀編集長に、サイトの特徴や注目を集めた記事、広告事例などについて聞きました。

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一人ひとりの声に耳を傾け、本音を引き出し、課題を深掘り

──まずは「telling,」とはどのようなメディアなのか、運営や編集において心がけていることを教えてください。

 「telling,」の対象となる20代後半から40代前半の女性は、結婚や出産、転職など、人生の岐路となる大きなライフイベントに直面します。夫との関係や育児と仕事の両立に悩んだり、心身の変化に不安を感じている方も多くいます。そんな女性たちに、多様な選択肢を提示することで、自分らしく生きるお手伝いをさせていただきたい。私たちも読者とともに悩み、前を向いて歩んでいきたい。そんな思いで運営しています。

 「telling,」という言葉には「あなただけに言うね」との意味が込められています。この年代の女性が抱える悩みは一人ひとり異なります。上司やパートナーはもちろん、友人にも相談しづらい場合があるでしょう。取材では、一人ひとりの声に徹底的に耳を傾け、本音を深掘りすることを意識しています。著名人のインタビューにおいても、相手に寄り添いながら、他のメディアではなかなか語ってくれない本音を引き出すことを、常に心がけています。

 まだ社会的なトレンドになっていなくても、一人の人が感じていること、考えていること、その言葉こそが社会のリアルであり、「実は私もそう感じていた」と共感を集めたり、「そんな考え方があるのか」と新たな気づきをもたらしたりします。そうしたリアルな現状を記事化していくことで、社会のトレンドになることも。例えば、日本は女性にとって息苦しい、活躍できないとして、優秀な女性が海外に流出してしまう「出国女子」という現象を昨年、tellingで紹介したところ、ツイッターをはじめネット上で大きな話題になりました。いまの結婚式の慣習に対して、ジェンダー的な違和感を感じた女性の記事も、反響を呼びました。新婦がバージンロードを父親と歩き、途中から新郎に引き渡される演出は「女性が誰かの庇護の元にある」と見えたり、ファースト・バイトの演出も、男性が稼ぎ女性がご飯を作って食べさせるという役割の固定化を感じさせたりするという内容です。

テーマの柱は「恋愛・結婚」「妊娠・からだ」「仕事」「家事・育児」

──まさにOne to Oneマーケティングの発想で、女性が抱えているリアルな課題を発見し、記事にされているのですね。読者はどのような方が多いのですか。

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 読者の8割以上が働いていて、同世代の女性と比べて自由に使えるお金が比較的多いということがひとつの特徴です。世の中の動きに敏感で、多様な価値観のなかから、自分らしい生き方を選択する。流行や周りの意見に流されることなく、企業やブランドの背景にあるストーリーを重視し、自分が納得できる商品を見極めて購入する。私どもの調査からは、そのような傾向が見てとれます。書籍や雑誌など文字媒体の情報を重視していて、社会問題など深く考えさせられる記事を好む傾向もあります。

──現在、読者によく読まれているのはどのような記事ですか。

 記事は大きく「恋愛・結婚」「妊娠・からだ」「仕事」「家事・育児」の四つのテーマからなります。よく読まれているのが夫婦関係を扱ったものです。今、ちょうどドラマの影響もあって大きな注目が集まっているセックスレス問題は、以前からtelling,では連載記事などを組んでおり「セックスレスに向き合う」、夫婦円満の秘訣を探る「夫婦の取扱説明書」といった特集はよく読まれています。このほか、周囲に結婚する友人が増えて焦ったり、仕事との関係に悩んだりする「29歳問題」、妊娠・出産のリミットも近づき、人生の選択を迫られる「39歳問題」を扱う特集も好評です。

 また女性のからだに関する記事にも定評があり、産婦人科医・高尾美穂先生による連載コラム“こどばの処方箋”も人気です。高尾先生は生理や妊娠、出産、不妊治療、更年期といった、女性の心と体に長年寄り添ってこられました。ご自身も仕事と妊娠についてどちらをとるかに悩んだこともあったと話しておられます。そんな先生のご自身の経験に基づく心温かい言葉と、医師としての専門的なアドバイスは、読者が自分の心と体に向き合い、今後の生きかたを考えるうえでの大きなヒントになっているようです。

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広告コンテンツもトーンをそろえ、自然なかたちで読者にアピール

──広告コンテンツや企業とのタイアップ企画の代表的な事例を教えてください。

 ルミネ社提供の特集「わたしと未来のつなぎ方」は、サステナブルな生き方をしている女性を紹介する編集記事と、サステナブルに力を入れているルミネのテナントを紹介する広告記事の2本立てで、4年目に入りました。ルミネとは毎年、インベントも開催していて、今年は3月8日の国際女性デーを前に女性のエンパワーメントとジェンダー平等、「わたしらしい生き方」について考えるオンライントークショーを開催しました。これまでに特集にご登場いただいたサステナブルな活動をされているお二方をゲストにお迎えし、司会は私が務めさせていただいたのですが、オンラインにもかかわらず、ほとんどの方が最後まで熱心に視聴してくださいました。アンケートの回収率も非常に高く、クライアントからも喜んでいただきました。

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 また最近、よく読まれたのが韓国・チェジュ島の魅力を紹介する済州観光公社とのタイアップ記事です。コロナ禍後の旅の行き先として済州島をアピールしたいとの要望に応え、2本のタイアップ記事を掲載しました。どちらもコロナ禍で溜まったストレスの解消や癒やしをコンセプトに、あまり知られていない大自然や絶景スポットを紹介しました。読者に近い存在である旅行好きライターやソウル在住のライターが登場して魅力を語ることで、共感を呼びやすい内容になっています。

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 個人的に印象に残っているのが、集英社から刊行された桐野夏生さんの新著『燕は戻ってこない』のタイアップ記事です。この作品は代理母や女性の貧困をテーマにした作品で、女性の権利や解放に関する運動に取り組むライターの長田杏奈さんに、この本への感想とともに、作品の根底にある女性の問題について語っていただきました。telling,ならではのユニークな企画だったと思います。

──telling,の世界観の中でタイアップ記事を作成するときに工夫していることはありますか?

 タイアップ記事も編集記事とトーンを揃え、自然なかたちで読んでいただけるよう配慮しています。商品やサービスの背景にある課題やストーリーを大切にし、telling,の読者により響く切り口を工夫しています。telling,に出稿をご検討いただくクライアントの皆様は、たいてい私どもと同様、女性が抱える諸課題に対する問題意識をお持ちです。ですから、こちらとしても、タイアップ記事だからといって構えることなく、通常の編集記事と同じ感覚で、どうしたらこうした課題を解決するお手伝いができるかという視点で、企画を考えています。

──読者が自分らしく生きるための気づきや情報、選択肢を提供するといった意味では編集記事もタイアップ記事も違いはないわけですね。telling,は自治体による啓発系のコンテンツが多いのも特徴です。

 新聞社が運営するメディアということもあり、キャンペーンや啓発系の企画との相性は非常に良いようです。例えば、厚生労働省による特別養子縁組の啓発活動のお手伝いを、すでに4年ほど継続的に行っています。特別養子縁組は日本ではまだあまり認知されておらず、制度の仕組みも複雑です。そこで私どもが特設サイトを制作し、制度の概要や養子縁組の具体的な進め方などをわかりやすく解説し、養子を迎え入れたご両親や養子となった方々へのインタビュー記事などを連載しています。さらに毎年2月には、特別養子縁組で子どもを迎えた方や養子となって活躍されている当事者の方に登壇いただくイベントも開催しています。昨年の4月から不妊治療への保険適用が始まりましたが、それに関連した厚生労働省の不妊・不育症に関する特設サイトも制作しました。

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「フェムテック」をはじめとした企業への支援で、女性が自分らしく生きられる社会へ

──今後、企業とのタイアップや広告コンテンツにおいて、力を入れたい分野などありますか。

 今、女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」という分野の市場が大きく伸びています。私どもの読者は生理や妊活、妊娠期や産後の不調など、健康の課題や悩みを抱えています。高尾美穂先生のコラムの人気が高いのも、それだけ多くの女性が心身の悩みを抱え、健康問題に強い関心をもっているからだと言えます。日本の女性の睡眠時間は世界で一番短い、といった問題も指摘されています。このような女性の健康問題を解決するための企業の取り組みは、メディアとして可能な限り応援したいと考えています。健康関連や医薬品、医療機器などに関しても、優れたものがあればtelling,らしい切り口で積極的に紹介していきたいですね。

──最後にtelling,の今後の抱負をお願いします。

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 女性一人ひとりが自分らしく生きられる社会を実現するうえでは、企業や自治体のみなさんの取り組みは大きな力となります。telling,としてもそのような企業や自治体のお役に立てるよう、メディアとしての力をさらに強化していきたいと考えています。そのためにもSNSの施策の強化やコミュニティイベントの開催など、読者の皆様とのつながりを強め、telling,というメディアの認知をさらに広げていきたいですね。

 女性の働き方改革や心身の不調、妊活などに関する支援は今や企業にとっても大きな課題です。そういった意味で、私たちがメディア運営を通じて得た女性に関する知見を活用し、企業のみなさんに貢献できることもあるのではないかと考えています。ジェンダーに関わる広告キャンペーンなどは時に炎上することも多く、それには新聞社として私どもが培ってきたノウハウが役立つこともあるでしょう。そこで宣伝部の方はもちろん、人事部の方などと女性が抱える諸課題や炎上しない表現のポイントを考えるようなBtoBセミナーなども今後、開催できればと考えています。

写真:品田裕美

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ライフイベントにおける女性特有の課題「恋愛・結婚、妊娠・からだ、育児・家事、キャリア・仕事」などの悩みに直面する20代後半~40代前半のtellingユーザーへコンテンツを提供するための媒体資料です。

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柏木友紀(かしわぎ・ゆき)

telling,編集長。朝日新聞社の社会部、文化部、『AERA』で記者として、教育や文化、メディアなどを幅広く取材・執筆。社会部東部支局長、教育媒体『朝日新聞EduA』の創刊編集長などを経て現職。一男一女あり。ジェンダー問題をはじめ、霞が関や永田町といった硬派なテーマも、文化、芸能、ファッションなどの柔らかいテーマも、独自の切り口で面白く読みやすくお届けするのが得意です。