COVER PICK-UP ART

 広告朝日21号「SDGs ─持続的な成長のために」のCOVER PICK-UP ARTは二宮佐和子氏の「着られるアート」です。

広告朝日21号表紙

 豊かな自然と生き物から成り立つ地球を背景に、人が生まれてから成人となり、年老いて死んでいくまでをビジュアル化した作品は、刺繍(ししゅう)アーティスト・二宮佐和子さんによるものだ。

 「今回、SDGsというテーマに向き合い、改めて17の目標についてじっくり考えました。それらは一つひとつとても大切なものですが、すべて関連しあっています。大きく分けると人間について、地球についての二つの問題に分かれるのではないかと思います。人間の活動はすべて地球上で行われていて、人類の発展や成長、豊かさは地球に支えられている……。そんなことを改めて考えながら、人間と地球、成長と平和が一体化するようなビジュアルを目指しました」

 二宮さんはもともとグラフィックデザイナーだった。ある時、自分の服に刺繍をしたところ、その作業が楽しく、周囲からの評判も良かった。その後、刺繍にはまり、展覧会に出品したり、ワークショップを開いたりするようになる。最近ではインドの貧困地域で女性たちに刺繍を教える取り組みや、アメリカのポートランドで日本のアートを紹介する展覧会の企画など、海外へも活動の場を広げている。

 「刺繍は糸と針さえあればどこでもでき、老若男女問わず、誰でも気軽に楽しめます。私が刺繍した服を着て外出してもらうことで、作品が見知らぬ場所、人へと広がっていきます。私にとって刺繍は着られるアート、移動するアート、体感できるアートです。そして世界中の多様な人々の心をつなぐ、コミュニケーションツールでもあります」

 

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クリエーターインタビュー
着られるアートで、世界の人々の心をつなぐ 刺繍アーティスト 二宮佐和子氏